昨日の日曜日は、1日中、本屋巡りをしていました。
私にとって本屋巡りは貴重な情報源。
昔は図書館大好き人間だったのですが、引っ越しをして近場にあった大きな図書館がなくなってしまったので、最近は月1回くらいのペースで大手本屋をはしごするのが日課ならぬ月課となっています。
広い本屋の中で立ち寄るコーナーはその時々の興味でぜんぜん違います。
最近の、というか今回の本屋巡りのテーマは「労働基準法」と「放射線」でした。
オペ室の労働環境についてはこのブログでも何度か取り上げていますが、近々また待遇改善を求めて上層部に働きかけをしようと計画中。そのための下調べで「労働法がわかる本」みたいなものを片っ端から目を通してきました。
同じテーマの入門書を、立ち読みとはいえ何冊も目を通すとそれなりにその世界のことがわかってくるものなんですよね。一冊買うのではなく、あえて類似書にたくさん目を通す。これが新しい世界にアプローチするいい方法なんだと、私は思っています。
図書館ではなく、本屋というのがちょっとセコイですけど、新しい情報も含めて仕入れるという点では本屋に勝るものはないと思います。
もうひとつは「放射線」というのは、これも病院の労働条件がらみなのですが、最近私の病院では”危険手当”が廃止されてしまったんです。これまでX線TV(いわゆるイメージです)を使う手術に入るとわずかながらの危険手当てが出ていたのですが、突然の廃止宣言。なんでも月間に100mSVを超える量の放射線を浴びないかぎり出ないことになったのだとか。
その100mSVという量が私にはどの程度のものなのかトンと想像もつきません。
ホントに100mSVを浴びていないことはどうやって証明するの? 放射線管理区域内で作業の従事する以上フィルムバッジの装着は法律で義務づけられているんじゃないの?
そんな疑問があったけど、放射線関係の周辺事情と予備知識がないかぎりなにも言えないと思い、本屋で情報リサーチ、というわけです。
これはさすがにテーマが専門的過ぎるだけに、5-6冊に目を通しただけではダメでした。まずは新書で放射線と健康がテーマの本を2冊読んで、それから医学書コーナーに進んだのだけど、やっぱり理解が追いつきません。引き続きの継続テーマになりそうです。
もともと本が好きだからなのかもしれませんが、図書館とか本屋だったら1日中時間を潰すことができる私。
興味がある分野を深めたり、なんとなく手に取った本から新しい世界が開けたり。
インターネットもいいんですけど、きちんとしたモノを、と思ったらやっぱり本・雑誌ですね。最近はインターネットで興味を持って、本屋で深めるというパターンが多いですけど。
ジャーナリスト(?)の立花隆氏が 「ぼくはこんな本を読んできた」 の中で書いていましたが、興味があるテーマをゼロから勉強して本を一冊書き上げてしまう氏の読書への情熱、すごいなぁと思います。
浮気性でいろんなことに興味を持っては、途中で移り気を起してしまう私ですが、常に何かを追いかけていたいとは思っています。
(追記)
ついでに今回の本屋巡りで「おっ!」と思った本を2冊ばかり。
◆ 『動画でわかる手術患者のポジショニング』
9月に出たばかりの新刊です。手術看護の基本として安全・安楽な手術体位というのは大きなテーマですが、一冊の成書としてまとめられたものはいままであまり見かけませんでした。最近は褥瘡関連の研究が進むにつれて手術体位にも注目が集まってきています。つい先日、私の手術室にもWOC認定看護師が視察に来て、いろいろアドバイスをおいていってくれました。手術体位については、今後きっとより大きな注目があつまる分野だと思います。
◆ 『ナースのための図解手術の話』
これも9月に出たばかりの新刊書です。新人手術室看護師向けに基本的なことがQ&Aで書いてある入門書。この手の本はたいていの場合、業界で権威のある麻酔科医や外科医が監修していることが多いのですが、この本は「さいたま市立病院手術室/監修」というところがおもしろいなと思いました。公立病院が公務の傍らこんな本を出版にこぎ着けるなんてどういうプロセスがあったんだろう? どうでもいい視点ですがそんなことが気になってしまいました。うちの手術室でもなにか本を出版できないかなぁ、なんてね(^^)
コメント
私も本屋は大好きです^^
でも、大抵都会の(笑)大きな本屋さんでゆっくりしてしまうので、
持って帰るのが重く、欲しい本をメモして、帰ってからアマゾンで注文しています(*・・*)
アロマ関連などはカンペキにその方法ですね。
久々に、コメント書き込みます。
手術室の放射線。
私もとても気になっていました。
当院の放射線科の技師の方に聞いたら、
「自分たちも1日バッチ(フィルムバッチというのですかね?)をつけていても、指定の量まで行くことはないですよ」
と言われたことが・・・
でもほんと?ずっとつけてた?
手術室のイメージのときはまた違うんじゃないの?などと、疑問はありました。
疑問を疑問に終わらせては、いけないと、
また、考えさせられました。
ちなみに、うちの手術室では、もともと手術室における危険手当がついていませんでした。
こんばんわ。
僕も読書が好きで、AMAZONの新刊チェックと休日に三省堂神保町店へ散歩がてらに出かけるのが好きです。
自分も好きな領域のものがあったら、関連を数冊読みながら理解を深めようとするタイプで、家には似たような本がずらりと並んでしまいます(汗)。
手術室によっては、スリッパに針がささっていたり、血がドアノブについていたりと、びっくりするような施設もあります。
こんにちは
いつも興味深い記事に「なるほど」と勉強させていただいています。
放射線と危険手当。
当手術室でも危険手当のつけ方に疑問を持っています。
私が配属される前までは、放射線従事者としての危険手当はありませんでした。
しかし、内視鏡室での透視室従事の看護師には月4000円の危険手当がつきます。
放射線技師にも当然つきます。
検査技師は血液検査等での危険手当としてつきます。
血液を扱うということで透析室も月4000円の危険手当がつきます。
でも、手術室には血液に暴露する危険も、イメージでの放射線暴露の危険性も、またまた、エチレンオキシドガス暴露の危険性もあるのに危険手当はありませんでした。
内視鏡室にいた看護師が手術室に移動してから、それはおかしいということで、放射線を使う業務にも危険手当をと認めてもらったそうです。
認めさせたまではよかったのですが、危険手当ての金額が放射線を使う手術を担当したら1日160円という手当てになっています。月にすると10日ぐらいが該当します。ので1600円ぐらいとなります。
しかし整形手術のイメージだけでなく、カテ室業務もしているので半日は重いプロテクターをつけ、照射している部屋にいて1日160円。
かたや操作室側で遮蔽されたところにいる技師さんは月4000円。
内視鏡での透視室看護師さんも月4000円。私たち手術室とどう違うの?どの時期に賃金要求を勝ち取るかの違いなのでしょう。
危険の度合いから言って手術室も例外ではないのに、なぜか例外なんです。
血液、放射線、エチレンガス。どう、理詰めでいけるか。ボイコット?
民間病院ではこれ以上の賃金要求は無理とあきらめるしかないのかもしれません。
でも危険と認めてほしいですね。
Ricoさん、こちらの方にもコメントくださってありがとうございます。実際のところ、Ricoさんと同じで購入はほとんどon lineで済ませてます。でもときどき、出会いに感激してその場で買わずにはいられないという本もあるんですよね。このまえ買ってきた「救急医学」誌もそうでした。on line書店は確かに便利だけど、実際に見てみないとわからないことも多い。やっぱり本屋巡りは欠かせません。今後、転職や引っ越しをするなら医学書をおいているような大きな本屋が近くにあるのは必須条件です(笑)
チロさん、アダチさん、こんばんは。おふたりも疑問に思われていたんですね。うちのスタッフにこの話をしても、誰も気にも留めていない様子でちょっと自信がない部分でもあったのですが同感してくれる人がいてうれしいです。
そもそも「危険手当」という言葉の意味も、実は私分かっていません。=放射線被曝なのか、それとも血液被曝なども含めてなのか。今これを書いていてまた新たな疑問が出てきてしまったのですが、手術の診療報酬の中に感染症加算というのがありますよね。肝炎ウィルスやHIV陽性の方のオペだと1,000円とか8,000円(でしたっけ?)とかつくヤツ。この加算って手術に関わったスタッフに還元されるべきものだと思うのですが、、、、どうなんでしょう?
shisleyさん、shisleyさんも幅広く本を読まれていそうですね。時々頂くコメントからもそれが垣間見えます(笑)
お久しぶりです。放射線の危険手当についてですが、当院でも以前はイメージの手術を担当すると1日100円という手当てがついていました。
しかし、新給与体制になってからその手当ては廃止となりました。
その代わり(?)以前は使用していなかったフイルムバッチが、手術室に常備されるようになり、イメージを使用する場合は必ずそれを装着しなければいけません。
その放射線量を毎回用紙に記載し、毎月提出しています。
これは、放射線科が管理しています。
あと、院内で放射線業務に従事する人は毎年研修があって、「放射線とは・・」という講義を受けます。
手術室以外でも、危険手当は廃止されています。(例えば、放射線科の看護師なども)
新給与体制になった時の、「危険手当」に対する病院側の説明は、
「検査機器の向上が進んでいる実態や、病院そのものの特性として全ての職員が危険に遭遇する可能性があることを前提とし基本となる給与に含まれていると考えるべきで、特定の職種や職場だけに支給されることはかえって問題がある。」でした。
当院の手術室でも、以前はイメージを使用する手術を担当した場合、1日100円危険手当がつきました。
しかし、新給与体制になってから危険手当は院内全体で廃止されました。
その時の病院側の説明は、
「検査機器の向上が進んでいる実態や、病院そのものの特性として全ての職員が危険に遭遇する可能性があることを前提とし基本となる給与に含まれていると考えるべきであり、特定の職種や職場だけに支給されることはかえって問題があると考える。仮にリスク等の考えられる職種があるなら金銭の支給ですますのではなく安全管理対策にこそ費用を注ぐべきと考える」
でした。
ゆうやママさん、情報ありがとうございました。
時代の流れとして手当ては廃止方向にあるんですね。そういえばかなり前の新聞で公務員の特殊手当てを廃止するみたいな記事を読んだことがあるのを思い出しました。
放射線については、このまえ立ち読みで勉強したかぎりでは、放射線管理区域内で作業をする人は、放射線に関する講習を受けてなくちゃいけないとかフィルムバッジ着用が必要ということは書かれていましたが、これがイメージという可動式のX線装置を使う部屋で一時的に働く看護職員にも当てはまるのかがイマイチ読みとれませんでした。どうなんでしょうね。