自衛隊の「野外手術システム」を見てきました

先日に続いて自衛隊の話題なのですが、戦地や災害現場にいながら、その場で外科手術を行うことができる「野外手術システム」(移動手術車?)というのがあるのをご存じですか?
 
土曜日に車で伊豆の土肥を通った際に、偶然にもその「移動手術車」に遭遇してしまいました。
 
この日は9月1日。そう、防災の日です。
 
静岡県の合同防災訓練が土肥の公園で開かれており、なにげなく立ち寄ったところ、偶然見つけたのが陸上自衛隊の「野外手術システム」でした。
 
自衛隊には移動できる手術室があるということは知っていましたが、まさかそれを目の当たりにできるとは思わず、かなりはしゃいでしまいました(^^)
 
陸上自衛隊「野外手術車の内部」
 
要は大型トレーラーのうしろが手術室になっているという、「動く手術室」です。
 
野外手術システム全景  野外手術システムの連結部分
 
 
「手術室」自体は大型のトラックの荷台に相当する部分に作られています。横幅を確保するために、手術時には横にスライドしてひろがるようになっていて、「へぇ~」という感じでした。
 
その他2つの車両がドッキングできるようになっていて、ひとつはICU(リカバリー室)、もうひとつはX線写真の現像や血液検査などが行えるラボになっていました。この日は来ていなかったのですが、もう一台、滅菌処理が行える車両と合わせて4つで野外手術システムが成り立っているようです。
 
その他、水を積んだタンク車や、発電器を積んだ電源車などが周辺車両として必要になるようです。
 
内部は見ての通り、フルスペックの手術室になっています。
Cアーム(X線TV)まで完備されていたのにはビックリ。
 
麻酔器やカートなど、移動時はストラップで固定できるようになっているそうで、現場に到着してからいざ手術を開始するのに時間がかかりそうですが、聞くところによると1時間半程度で準備は完了するのだとか。
 
「実際に使われたことがあるんですか?」
 
「いいえ、国内ではありません」
 
だ、そうです。イラクなど海外で活躍したのが今のところ数少ない晴れ舞台だったみたい。
 
開腹手術から開頭まで基本的にどんな手術でも行える野外手術ユニット。
 
こういう大規模なことが行えるのは、特殊任務についている自衛隊衛生隊ならではだよなぁと感じました。
 
先日の海上自衛隊の看護師の話もそうですが、最近なんだかにわかに自衛隊という特殊な場での医療に興味を感じてきている私でした。


 

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コメント

  1. みゆママ より:

    足跡から来ましたo(^-^)o
     
    移動手術室、すごいですね!こんなのがあること自体知りませんでしたo(゜o゜)o

  2. shisley より:

    こんにちわ。
     
    ご存知かもしれませんが、MRIやPETなど検査関係については、モバイル(車)による移動検査が国内で利用可能で、民間企業によるサービス提供が始まっています。
     
    http://www.freeill.co.jp/index.html
     
    医療機関にとって
    ・固定費を変動費化する(投資負担が少ない)
    ・自院装置のメンテ中の代用としてのメリット
     
    といったメリットがあり、種々の規制の問題はありますが、少しずつ普及しているようです。
     
    移動手術車については、戦地でなくても例えば”僻地”医療等で応用できそうなイメージを持ちました。
     
    インターネットはペンタゴンから始まりましたし、新しい技術やムーブメントは防衛関連から始まるものも多いのかもしれませんね。
     

  3. 管理人 より:

    みゆママさん、移動手術車ってなんだか手塚治虫のマンガに出てきそうなものが実際にあるなんて、私も目の当たりにして感動でした。自衛隊の世界にはまだまだ知らないものが隠れていそうで、にわかに気になっているところです。
     
    shisleyさん、いつも私にはない視点からのコメント、参考になります。
    検診用のレントゲン車くらいしか知りませんでしたが、MRなんかの移動車もあるんですね。移動できることのメリット、そんな時代の流れも興味深いです。