看護師による気管挿管 オペ室ナースの院内活用例

「法律的に、看護師は気管挿管できますか?」

ACLS プロバイダーコースのときに毎回受講者の方に問いかけている質問ですが、以前と比べて最近は、「ナースは気管挿管可」という事実がだいぶ認知されてきたように感じています。

法律的に OK であっても、現実問題、看護師が気管挿管するべき場面は、常勤麻酔科医が少ない中小の病院のオペ室くらいでしか運用されていないものと思っていましたが、最近、また別の運用法があることを知りました。

気管挿管に慣れたオペ室看護師を病棟急変に呼び出すというアイデア


夜間の病棟での急変、そこで主治医がオンコール番のオペ室看護師を呼び出して気管挿管の指示をする、というケースです。

医師であれば、気管挿管はできるはずですが、救急科や麻酔科でない限りは、日常的にやり慣れているわけではありません。

そこで、日頃、オペ室で気管挿管の実地経験を積んでいる看護師に挿管してもらった方が早いんじゃないか? というアイデア。

考えてみれば、確かに納得。

法的に問題がなければ、技術・習熟度の問題

挿管を頼むのであれば、麻酔科医を呼べばいいのかも知れませんが、大学医局派遣で来ている麻酔科医は必ずしも病院の近くに住んでいるとは限りません。

その点、オペ室ナースであれば、on call 対応のために病院近くに住んでいることが多く、スピード感でいったらオペ室看護師を呼んだ方が早いし確実、ということのようです。


看護師にとって気管挿管は診療の補助行為として、医師の指示があれば実施できることになっています。

あとは習熟度の問題。

テクニカルな問題であれば、やり慣れた人の方がうまいよね、という話。



そう考えると、オペ室看護師は、日常的に気管挿管の経験を積むことができる希少な立場にいる看護師と言えます。

ここを積極的に活用している病院があるというのは、目からウロコでした。

麻酔科医の人数が整っている規模の病院であれば、オペ室ナースが気管挿管や麻酔管理を行う必然性はないかもしれませんが、医療に関する特殊技能に習熟できる環境にあるという点に着目すると、OR 以外での新しい活躍の場が見えてきてきそうですね。

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