医師の薬剤指示が間違っていたとき アドレナリン過剰投与死亡事故

看護師としては見過ごせない事故をクリップしておきます。

アドレナリン過剰投与で女子高生死亡…医師を書類送検

読売 2019年3月7日

 大阪府高石市の病院でアレルギー症状を抑える薬を過剰投与し、女子高校生(当時18歳)を死亡させたとして、府警は6日、男性医師(44)を業務上過失致死容疑で書類送検した。医師は「正しく治療していれば、死ななかったと思う」と容疑を認めているという。府警は、検察に起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
 発表では、男性医師は2015年12月、非常勤で当直を務めていた高石藤井病院で、目の腫れなどを訴えていた高校3年の女子生徒に、適正量の2倍を超えるアドレナリン薬を投与するよう看護師に指示し、約3時間後に死亡させた疑い。医師は現在、別の病院に勤務している。
 この薬は本来、筋肉などに注射すべきだが、医師は用法を確認せず、点滴で投与するよう指示していた。
 生徒の両親は16年、病院を運営する医療法人と医師に損害賠償を求め提訴。法人と医師は過失を認め、17年に和解が成立している。

別の報道 によれば、

「医師は注射薬1ミリリットルを静脈から点滴で投与したといい、女子生徒は直後から「苦しい」と訴えていた。」

ということで、通常は0.3mg筋注のところを、心停止のときと同じ用量・用法が指示されたようです。


アナフィラキシーに対してアドレナリン1mgを静注で


看護師の皆さん、アナフィラキシー症状に対して、「アドレナリン1mgを静注で投与」という指示を受けたらどうしますか?

常日頃、薬剤投与では5Rと言われて、ナース間のダブルチェックも行われているはずですが、注射箋は「アドレナリン1mg IV」で間違いがなければ、指示通り投与するでしょうか?


つまり、この量が多すぎではないか? と疑問に思えるかどうか、です。

薬剤投与における看護師の果たす役割

医師が自分で直接投与せずに看護師を介すのは、そのチェック機構に期待する安全対策なわけですが、そのチェックの意味が、注射箋との照合だけであれば、看護師ではなく機械でもいいはずです。

建前上、看護師は指示を受けて投与する薬については、その薬理作用と副作用、注射後の注意点などを把握していることになっています。

あまたある薬ですし、特に緊急投与に近い場合はいろいろと無理があるのはわかりますが、アナフィラキシーに対して「アドレナリン1mg IV」という指示に嫌疑を挟むことが、ナースのアビリティとして妥当なのか、無理があることなのか?

報道を見る限り、業務上過失致死疑いで送検されたのは医師で、薬剤を直接投与した看護師については特に言及はありません。

法的責任という点では不問となったのかなと思いますが、自分が投与した薬剤で命を落としたという事実は重いだろうと想像します。


医師の指示が間違っていた場合、そのことに気づけるか?

気づいたとしたら、そのことで声を上げられるか?

そんなことを悶々と考えました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする