21世紀の「読み書きそろばん」 = 検索テクニックを磨こう!

今日は手術室看護にも役立つ情報収集ツールとしてのインターネットの活用について取り上げてみたいと思います。

いまこの文章を読んでくれている人というのは、きっとインターネット検索でたまたま見つけてくれたという人が圧倒的に多いと思います。

皆さん、日頃検索エンジン等を活用されている方が多いと思いますが、私にとってもインターネットは生活にも仕事にもなくてはならないものとなっています。

ちょっと前までは、なにかわからないことがあったら、週末を待って図書館に行っては調べ物をしていましたが、いまはインターネットのお陰で、知りたいことはすぐその場で確認できます。学生時代、必死になって専門図書館で文献検索をしていた時代がウソみたいです。

手術室にいると、日々いろいろな略語や専門用語に苦しめられますが、そんなときもインターネットで即解決。とにかくわからないことがあったら、検索エンジンの窓にフレーズを入れてみると、たいていのことは調べがついてしまいます。

つい先日も、心外の手術に一諸についた後輩から「SFJってなんですか?」と聞かれて、ちょっと困ってしまいました。職場のパソコンに入れてある医学大事典や医療略語辞典で検索しても出てこず。でもインターネットでしらべたら一発でした。

Sapheno Femoral Junction = 大伏在静脈ー大腿静脈接合部

ふつうに「SFJ」という語で検索してしまうと、 『サーファーの立場から環境保護を訴える Surfrider Foundation Japan』 なーんていう関係ないサイトまでわんさかと1,580,000件もヒットしてしまいます。

そこで効率よく目的に辿り着くためには、「絞り込み」を考えた検索フレーズをが重要になってきます。答えからいいますと、今回、私は「SFJ 血管」というキーワードを使いました。

SFJという言葉は、心臓血管外科のストリッピング手術に関係して出てきた言葉なので、血管と関係ありそうだという予測がついていました。ですので、単にSFJで検索するのではなく、スペース記号で区切って、「SFJ 血管」とすることで、「SFJ」と「血管」、ふたつの単語が含まれているページのみヒットするようになるんですね。

これはとっても簡単だけど、とっても重要なポイントです。


関係ありそうな単語を複数並べて検索すると、検索精度が上がる!

これだけは覚えておくといいですよ。

インターネット検索は、関係ないページがたくさん出てきて使い物にならない! なんて声をよく聞きますが、それは単にキーワードの選択がマズイだけ。

どういったキーワードを並べたら、効率よく自分が知りたい情報にたどり着けるか? 要は慣れなんですけど、それが現代社会を生きる上で非常に重要な能力だと思います。

Googleをうまく使うポイント

検索エンジンもいくつもありますが、私が愛用しているのは google です。Yahooを使ってらっしゃる方も多いと思いますが、Yahooは企業の公式サイトを調べたりする場合には便利ですが、辞書的な使い方をするなら、検索結果に人為的操作が入らないGoogleがいちばんです。

その際に覚えておきたいポイントは次の4つ。

1.例: 「手術室 オペ」 … スペース記号で区切って複数のキーワードを入れると、それらすべての語が含まれるページのみヒットするようになる。(and検索といいます)

2.例: 「虫垂炎|アッペ」 … キーワード間を|で区切ると、虫垂炎もしくはアッペというキーワードが含まれるページがすべてヒットする(OR検索といいます)

3.例: 「眼科手術 -白内障」 … このようにすると、眼科手術というキーワードが含まれるページのうち、白内障が含まれるページは除外された結果がでてくる。半角スペースと半角マイナス記号を付けた後の語が除外されます。

まあ、細かい検索テクニックはたくさんあるんですが、上の三つ、もしくは1番だけでも、うまく活用できれば、インターネットの便利さをもっともっと体感できるはず。

検索結果ページへのジャンプは別ウィンドウで開く

検索結果画面のサイトプレビューを見てみて、知りたいことが載ってそうなページへジャンプして内容を確認するわけですが、一発でそのものズバリのページが見つかるとは限りません。

少なくともいくつかのページは見てみることになると思いますが、各ページへジャンプするときは、ふつうにクリックしてしまうと、ウィンドウの画面が切り替わってしまい、最初の検索結果画面に戻ってくるのが面倒くさくなる場合もありますので、別窓(別のウィンドウ)で開く形にすると便利です。

どうやるのかというと、インターネットエクスプローラーの場合は、Shiftキーを押しながら、リンクをクリックすればOK。別窓で当該ページが開きます。ざっと一瞥してみて興味がなければAlt+F4キーを押せばサクッとそのページ窓は消えます。

直感的なマウス操作もいいですけど、慣れてくるとこうしたショートカットキーを使うとサクサクと画面切り替えができてかなり効率的です。

Ctrl+Fキーでサイト内検索

検索結果で開いたページがあまりに長文な場合、自分の探していたキーワードがページ内のどの辺にあるのかを探すのがたいへんな場合があります。そんなときに覚えておくと便利なのがページ内検索です。Ctrlキーを押しながらFキーを押すと、キーワードを入れる小窓が開きます。例えばいま、ここでCtrl+Fを押して、「ブロードバンド」と入力してみてください。文末にあるその部分がハイライトされたでしょ? こんな感じに機能します。一瞥して長文サイトにぶつかった場合に覚えておくと便利な機能です。

Googleのキャッシュ機能を活用する

最近はブログが大はやりで、検索結果がブログ記事ということも少なくありません。また掲示板の書き込み内容がヒットする場合もあります。その場合、問題となってくるのが、検索エンジンに載った時間のタイムラグです。通常、検索エンジンに自動的に登録されるまでに長いと1.5ヶ月程度かかります。つまり掲示板の場合は、最新の内容ではなく1.5ヶ月前の状態で登録されていることになります。

いざその掲示板のページにジャンプしてもすでに当該キーワードを含む書き込みは古くなって過去ログページにお蔵入りしていて読めないという場合がよくあります。

そういうときに役立つのが、Google固有のキャッシュ機能です。これは検索エンジンGoogleが情報収集した時点でのそのページの内容を保存してくれている機能です。検索結果部分をよく見ると、「キャッシュ」と書かれたリンクがありますが、これをクリックすると見ることができます。嬉しいことにキーワード部分が黄色や青色でハイライトされていますので、目的語を探すのもとっても楽。検索結果がブログ記事や掲示板のときは積極的に使いたい機能です。

検索エンジンGoogleのキャッシュ機能

最近、看護大学を卒業したばかりの新人さんたちの話を聞くと、いまでは大学でしっかりと情報収集技術も教わってるみたいですね。

昔は「勉強」というと知識を詰め込むことを指していましたが、情報が溢れているこの時代、記憶するという能力の重要度はだいぶ薄れてきた気がします。インターネットという膨大なデータベースに市民レベルでアクセスできるこの時代、必要な情報を引き出す能力のほうがが非常に重要になっています。

人間、覚えられることには限界があるわけですから、それよりは必要時、必要な情報を取り出して活用する能力の方がよっぽど価値があります。(まあ、どうしても現場でとっさの判断をする場合など、最低限覚えておかないといけない事柄というのはありますけどね。)

気になったことは、できるだけ早いうちに調べて納得する。その積み重ねがやがては自分の中に蓄積される資産となっていきます。

そんなわけで、インターネット常時接続の環境にある人は、医学や手術室専門用語なども含めて、なんでも百科事典としてのインターネットをドンドン活用してみてください。せっかくブロードバンド接続をしているなら、使わなきゃ損ですよ。

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