手術室の針刺し事故

病院勤務者の中で、手術室看護師というのはかなり危険なリスクを伴う職種のひとつです。
 
医療者の安全というと、針刺し事故がよく取り上げられて、リキャップ禁止! なんて声高々に言われていますが、手術室で働く皆さん、どう感じていますか?
 
リキャップ禁止の院内通達が来るたびに、、、、
私はなんだか悲しい思いになってしまいます。
 
 
リキャップなんかより断然危険な縫合針の糸かけを毎日行なっている私たちはいったいなんなの? と思ってしまうのです。
 
病棟勤務者はリキャップで大騒ぎをしている中、私たちは針先を指で直接持つという信じられない操作を当然のごとく行なっていて、なおかつ閉創のあの急かされる勢いで、目にも留まらぬ速さ(!)で、糸を掛けて、かつ手渡しで受け渡しをしているわけですよね。
 
リキャップ絶対禁止 ― 病棟勤務者は社会的にも守られていていいなぁ。
 
この記事を見て、そんなことを考えました。
 
 
⇒ 『針刺し事故から考える – 看護師の品格 看護師社長 中友美の日記


 

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コメント

  1. mimimi より:

     お久しぶりです.
     
     世の中の動きに反して必ずりキャップして,しかも針をシリンジから外します.後かたづけはほとんどスタッフ任せですので,スタッフが針刺し事故に遭わないようにという配慮です.
     
     針はディスポで,シリンジ本体は繰り返し使用なので,りキャップしてあっても針と本体を分離させる時に事故を起こす可能性があるんです.
     
     スタッフを危険にさらす訳にはいきません.針刺しのリスクを負ってでも,使用者である自分が責任を持って安全な状態にします.
     
     十数年続けていますが,針刺しはありません.上司はほぼ全ての感染症で針刺し事故を経験し,今のところ感染はしていないという強運の持ち主ですが...

  2. mimimi より:

     そうそう,針の糸かけなどは,自分でします.メス刃の交換なども,自分でします.
     
     刃物やナイロン糸に付いた血液,油分は自分で拭いてきれいにします.返却する時,尖り物は直接渡さずに台に置く.尖った部分は自分に向けて.
     
     針とメス刃のカウントは自分で行い,担当看護師に報告します.看護記録のカウント責任者名は,もちろんmimimi.

  3. さくら より:

    私たちの施設でも、リキャップ防止の通達が大々的にきました。
    院内でいうリキャップ廃止(針刺し防止)は採血後の針のリキャップ、点滴や薬液を吸った針のリキャップなどの廃止が主です。もちろん病棟にいたときにはリキャップせず、使用したものはシリンジごとそのまま針捨てボックスに破棄していました。
    しかし、手術室は特殊で、シリンジに吸う薬液はほとんど麻酔関係のもので、リキャップせずに麻酔科に渡すわけにはいきませんし、薬液を吸うごとに針を交換してもいいのかということも決定していないままの通達でした。管理人さんのいうとおり、私たちはリキャップよりも縫合針やメスなどによる針刺しの対策を主に考える必要があると思います。

  4. たき より:

    こんにちは☆
    初めてコメントさせてもらっています。
     
    今私は看護4年生で卒論に就活に国試対策に忙しい日々を送っています。
     
    私は、就職で手術室か救急かで悩んでいます。すごく個人的なことでごめんなさい。
     
    手術室で働く魅力とか、患者との関わりとか、手術室はこの病院が環境いいよ、とかあったら教えて下さい。
     
    お時間あるときで大丈夫です。
     

  5. 管理人 より:

    mimimiさん、そこまで考えてくださるDr.がいらっしゃるんですね!
    感激です。確かに口腔外科の局麻シリンジはディスポじゃないですから、
    これって、いわゆる針刺し対策からは完全にノーマーク。
     
    いまのご時世だと、リキャップしたほうがいい、なんて言おうものなら、
    後ろ指さされますが、もうちょっと時代がこなれてくると、リキャップ推進
    なんてまったく逆の動きが出てきてもおかしくない気がしています。
     
    かつて病院内では携帯電話なんてとんでもないと言われていましたが、
    それも根拠性が低い「迷信」という認識がだいぶひろがってきています。
    私が学生だった頃、海外の論文を根拠に長期臥床の入院患者にこそ携帯電話を
    積極的に活用してもらおうというというレポートを書いて、ひどく冷たい目で
    見られたのを思い出します。
     
    さくらさん、賛同ありがとうございます。心強いです。
    看護界の基準は病棟で作られます。まったく環境がちがうのになぜかその基準は
    オペ室にまで持ち込まれて、とっても迷惑。私たちはもっと論文書いて
    主張していかなくちゃいけないのかもしれませんね。病棟勤務者以上に感染とか
    医療安全のエキスパートなわけですから。
     
    たきさん、はじめまして。
    オペ室を目指されていると聞いてうれしく思います。
    救急、私も興味があるなぁ。だから、BLSとかACLSの普及教育にも
    携わったりしています。
     
    さて、ご質問の件ですが、どれも一言で語るのは難しいです。
    オペ室勤務の魅力、オペ室ならではのスペシャリストとしての患者との関わり。
    でもぜひそれを伝えたいという思いで、このブログを書いています。
    どうぞ過去記事をご覧になってください。
    「もくじ」というところから、外回り/麻酔看護(13)や手術室の話 [ 雑談 ](43)
    という項目に、たきさんが知りたいと思うことが見つかるはずです。
     
    それを見ていただいた上で、もっとここを詳しく聞きたいということがあったら、
    またメッセージ下さい。
     

  6. taka より:

    以前より何度か拝見してましたが、初めてのコメントです。
     
    看護師歴・手術室看護師歴ともに5年目になります。こちらの情報はとても分かりやすく、今年から新人指導担当になった私にとっても初心に帰るいいきっかけになっており、大変感謝しています。…と同時に、管理人さんの知識の深さ・広さに感銘を受けています。私なんてまだまだダメっ子だなぁと考えさせられます。
     
    さて、私の勤める手術室では、以前はメスハンドルにメス刃をつけて使用していました。当然、手術終了後は直介さんが針・刃処理をする時に外していました。ところが、私は一度処理中に誤って指を滑らせ、指を切ってしまいました。大至急外科の先生に2針縫ってもらいました…油断大敵ですよね。安全面に気の緩みがありました。
    針のリキャップどころの話じゃないと本当に思います。もちろん、「自分の身は自分で守る」が前提の手術室だとは思いますが、危険はたくさん隣り合わせだと日々感じています。
     
    新人さんも開腹の直介を経て、今は宅直に向けてカイザーの直介訓練中です。あの慌ただしさに呑まれず、あわてて怪我などをしないように安全面を十分に伝えていけたらと思っています。
     
    でも…手術室看護師が、器械処理中にメスで指を切るなんて…恥ずかしいですね (T_T)

  7. 管理人 より:

    takaさん、はじめまして。
    偉そうなことを書いてますが、経験年数は実はtakaさんとあまり変わらないんですよ(^^)
    ここもプリセプターをはじめたくらいから、新人向けにまとめた情報を公開しているだけで。
     
    メスといえば、落下させて床に突き刺さったという経験があります。
    つくづくコワイ職場ですよね。工場並に安全靴が必要!?(笑)