ガイドライン2010では、人工呼吸がなくなる!?

心肺蘇生の国際ガイドライン2000のあたりから、人工呼吸は必須ではないかも、、、というようなことは言われていましたが、ガイドライン2005では、人工呼吸の必要性がかなり下がってきました。
 
突然の心停止では、血中に酸素が残っているので倒れて最初の数分間は人工呼吸はあまり重要ではないというエビデンスが出ましたし、過呼吸が胸骨圧迫の効果を妨げるという点が根拠性を持って示されるようになってます。
 
次回の心肺蘇生国際ガイドライン2010では、これがさらに進んで、「市民のバイスタンダーCPRでは人工呼吸は行なわない」というくらいになる可能性が高くなってきました。
 
というのは2007年3月17日付けのイギリスの医学雑誌 The LANCET に掲載された東京発の論文 (仮題) AHA-BLSインストラクター日記」の方に書きました。
 
私自身は、まだ原著に目を通していないので、ネット情報からの寄せ集めみたいな感じですが、興味がある方は見てみてくださいね。
 
最近、手術室看護のことではなく、こういう救急蘇生関係の話が多くなってしまったので、以前からここを見てくださっている方たちにはご迷惑をおかけしています。
 
今後、救急関係の話題は「AHA-BLSインストラクター日記」に切り分けていこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。


 

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コメント

  1. なお より:

    昨日のHCPコースでも興味深い話しを聞くことができました。
    五年後にどう変わっていくのか楽しみな一面もありますが、今のガイドラインに沿って活動してくことが今は大事ですね。

  2. 管理人 より:

    なおさん、こんにちは。
    昨日はヘルスケアプロバイダー・コース受講、お疲れさまでした。今後の動向とか、最新情報も聞くことができたんですね。
     
    AHAのいいところは国際レベルでの新しい情報がダイレクトに入ってくるところかなぁと私は思っています。どうしても英語の壁はありますが、常に自分をアップデートしていないといけないという良い意味での緊張感がありますよね。
     
    今のガイドラインに沿って活動する、まさにそのとおりです。国際的なコンセンサスなのでそれに従っておけば誰の目から見てもとりあえず「間違い」はないという安心感もありますし。
     
    今回取り上げた人工呼吸が無くなるかも、という話は主に「教える側」の事情とご理解下さい。
     
    現実に今のガイドライン2005の時点ですでに人工呼吸を省略して構わないことは明文化されています。「ガイドラインは、感染を気にする人には口対口人工呼吸をせずに通報して助けを求め、そして胸骨圧迫のみを行うことも推奨している」(AHA版ガイドライン2005日本語版p.19)
     
    つまり弱いエビデンスに基づいて「自分の判断でしなくていいよ」と言っているのが今であって、この先はもうちょっと強い書き方になるのか、もしくは最初から教えないという事になるのか。教える側としては大きな違いですが、バイスタンダーCPRを行う現場の人の立場で言えば、「人工呼吸はしない」という方向で行動自体は変わらないのかもしれません。

  3. とうふ より:

    はじめまして、こんばんは。
    はじめてこちらにおじゃま致します。
     
    手術室で勤務されている中での話をとても楽しく読ませてもらいました。
    実は私も手術室で勤務していました。先月をもって手術室から離れたのですが、7年間手術室で勤務していました。
    ですので「うんうん、そうだよなぁ~」と
    重なる部分が多くて、思わずうれしくなってしまいました。
    また、こちらにおじゃまさせて頂きます。
    お仕事頑張って下さい。
     

  4. チロ より:

     こんばんわ。もう一つのブログを立ち上げるんですね。私は、このブログを見るのが精一杯です!なかなか、書き込みしたくても自分の考えをまとめるのって大変ですよね。管理人さんは、きちんと、返事もしていてなんてパワフルなんだろうと感心しています。
     これからも、楽しみにしています。
     
    真面目な話も一つ。日本の医療材料費って高いですよね。胸腔鏡・腹腔鏡の手術が増えていて点数も高いのはわかりますが、それで賄えないくらい材料費は高くつきますよね。人件費を抑えて、材料ばかり高い日本の医療はこれからどうなっていくのでしょう。と、一個人が考えても腹が立つばかりですが、医療職として、今の現状を悔しがることも必要ですよね?最近の私の関心事でした。

  5. 管理人 より:

    とうふさん、はじめまして。手術室の思い出(?)に、よければ時々覗いてみてください(^^) 最近はいろんな方向に手を出しすぎてしまって話があっち行ってこっち行ってという感じで、少しずつ方向修正しつつあるところです。去年あたりの過去記事では、けっこう濃い手術室の話を取り上げたりしています。なにかお気づきの点がありましたら、今後のためにどうぞご指摘お願いいたします。
     
    チロさん、お久しぶりです。書く場所を切り分けたと言うだけで、結局書いている量は変ってないんですよ。ただ「オペナース養成講座」と思ってきてくれた人が、「なーんだ心肺蘇生の話しかないじゃん」と思ってしまったら申し訳ないなと思ったものですから。
     
    医材の話、私も興味があります。内視鏡手術なんて再生しないで新品でまかなっていったら完全に赤字ですよね。それでいいんですか? と医材屋さんにストレートに聞いたことがあります。「問題です」と言ってましたね。じゃあ、誰がそれを是正するために動くのかと突っ込んで聞いたら、メーカーとしては立場上動けない。現場の訴え、働きかけですよね、と。行政もわかってないわけではないのだけど、どうしても日本の医療行政の動きは緩慢だから、もしかしたら対策に載りだしているのかもしれないけど、我々には見えていない、、、
     
    なんて話を聞きました。このあたりの話はshisleyさんがご専門のはず。見てくださってるかなぁ。

  6. AHA某関係者です。 より:

    大変失礼な書き込みになると思いますがご容赦をお願い致します。
    現在書き込みなされているBLSインストラクター日記ですが、AHAインストラクター責務の条項に触れるような内容にもとらえられます。どうぞ、書き込みの際には今一度ご確認の上、公表なされるようお願い致します。宜しくご協力のほどお願い致します。

  7. 管理人 より:

    AHA某関係者さま、はじめまして。メッセージありがとうございました。いつかこんなご指摘を頂くかなとは思っていました。
     
    AHAインストラクター責務の条項というお話しですが、具体的にどの部分が抵触する可能性があるとお考えでしょうか? 実はカードの画像についてはすでに別の方からご指摘を受けていて、なんらかの修正を加える予定でいます。
     
    AHAインストラクターの責務ということで、昔からちまたでは色々言われていますが、原点であるPAMではどうなのかを確認の上、善処したいと思っています。今後ともアドバイスいただけたらとうれしいです。
     
    なお、たいへん恐縮ですが、今後この話題は姉妹ブログサイトの方で続けさせていただけたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

  8. ちょっと気になりました。 より:

    こんにちわ!いつも大変為になる事ばかりで楽しく拝見させて頂いています。
    実は、私もインストラクターとして同じ職責に付いています。
    AHA某関係者さんのコメントですが、まず、どの様な関係者かは置いといて、多分、ん~多分ですよ・・・。インストラクター責務の8項目の事を気にしているのではないでしょうか・・・。ちなみに、
    8.AHAインストラクターであることを名刺に印刷したり、他の広告媒体に用いてはならない。AHAの登録商標も用いてはならない。
    このブログにも、他に広告がありますよね。その関連で・・・。じゃないでしょうか??
    ごめんなさい。気を悪くしないで下さいね。各トレーニングサイトにより、見解は色々ありますよね。個人的な見解で、私は同じインストの立場から見てそう思いました・・・。
    表題からA○Aの文字を省いたらOK何ですかね(笑)
    これからも、情報を参考にさせて頂きます。頑張って下さいね。
    ちょっと気になった、『たっちゃん』でした!
     

  9. 管理人 より:

    ちょっと気になりました。さん、ご意見ありがとうございました。そっかぁ、そっち方面かと考えさせられました。AHAの名前を使って集客、アフィリエイト広告に誘導している、という解釈ですね? まあ、いまどきアフィリエイト広告なんて無料ブログを申し込めば標準でついているようなものですし、そんなつもりはぜんぜんないんですけどね。
     
    PAMの中には確かに「Instructors and ECC leadership may not use their AHA Instructor title on business cards or other adviertising materials.」と書かれています。ただこの点はコアイストラクター・コースを受講された方ならわかると思いますが、AEDメーカーの社員がAHAインストラクターを名乗って自社製品の営業をしてはいけないとか、そういうレベルの話です。(名刺に刷っちゃいけないと書かれていますが、自己紹介に使う個人の名刺であればぜんぜん問題ないんじゃないでしょうか? CPR教育がビジネスとして動いているアメリカと日本ではぜんぜん事情が違いますし、そうした違いの理解なしに規則を直訳して日本にそのまま持ってくるからおかしなことになっているような気がします。)
     
    ブログにアフィリエイト広告がついていたからといって、それがAHAの名前を使ってなにかを宣伝していることになるのか、疑問です。第一広告内容は勝手に付加されるもので作者が選べるわけでもありませんし。
     
    まあ、無難な路線でいくなら、自分がAHAのインストラクターだということはひた隠しにして、公式な講習会のときだけ名乗りを上げるというのがいいんでしょうね。これまで皆さん、表向きそういうことにしていたのかもしれませんが、現実問題、病院や大学医局の公式ホームページでは医局員のプロフィールとしてAHAインストラクターであることを公言しているページがたくさんあります。これこそAHAの名前を病院の宣伝に使っていることに他なりませんが、そういうのが問題になったという話は聞いたことないです。
     
    皆さんはどう考えますか?
     
    最後にもう一度お願いですが、この話題は今後http://aha-bls-instructor.seesaa.net/article/42345473.htmlの方で続けさせてください。こちらのブログとは切り分けたいと考えていますので、御協力お願いいたします。
     
    「たっちゃん」さん、率直な御意見ありがとうございました。今後も中身で勝負をしていきたいと思っていますので、ご愛顧の程、よろしくお願いいたしますm(_ _)m