オペ室急変対応シミュレーション 第二弾

今日はオペ室で急変対応シミュレーション・トレーニングを行いました。第二回目。

シナリオはこんな感じ。

麻酔科学会期間中、皮膚科の局所麻酔手術で患者入室直後。
モニターを装着し、患者さんと会話をしながら、皮膚科Dr.を待っている状況。

患者さんと会話中、突然うめき声を上げ、白目を剥いて意識消失しました。

他の部屋では、緊急C/Sでたった一人の麻酔科医は部屋を出られない。

さあ、どうしますか?

代表して5-6名に動いてもらって、残りの人は見学。

見学者には見学の視点をあらかじめ提示しておきます。

・VFの認識から胸骨圧迫開始までの時間はどれくらい?
・VFを認識してから除細動器が到着するまでの時間&ファーストショックまでの時間
・質の高いCPRを行えているか、特に中断時間
・リーダーの指示は明確か?
・指示を受けた人は復唱しているか?
・役割分担ができているか?
・etc.

前回やったときは、除細動器の定位置がオペ室の端っこのリカバリールームで、取りに行くのに不便という問題点に気づきました。そこで今はオペ室のほぼ真ん中に置き場所変更しています。

そのこともあって、除細動器到着時間が格段に早くなりました。

しかし、残念ながら、除細動器が到着してから、除細動のショックをかけるまでに3分以上のタイムロス。

除細動器のセッティング・使い方がわからず、というありがちなパターン。

普段はパドルが取り付けてある除細動器。今回は医師がなかなかこられないということで、手動式除細動器のAEDモードを使うことになったのですが、パッドを装着するためにコネクタを付け替える必要があり、その準備にもたついてしまったのでした。

このあたりは、シナリオ終了後のデブリーフィングで、チームを組んでいた当人たちも見学者たちも、問題として指摘していて、すぐその場で全員で除細動器のAEDモードの使い方の復習。

自分たちで問題を認識して、その上での解決策としての取り組みですから、一方的な講義としての「除細動器のAEDモード使用勉強会」などと違ってしっかり身についたはず。

中には知識としては知っている人もいましたが、実際に触ってみるのは初めてで、やってみないとわからないという点も実感していただけたようです。

一方、前回はVFを認識しても、胸骨圧迫というアクションになかなかつながらず、胸骨圧迫開始まで何分もかかっていたような感じでしたが、今回はすばらしかった。VFです、除細動器と応援を! と叫んだ第一発見者はすぐにCPR開始。10秒も経っていませんでした。

さらにすばらしかったのは、応援が着たら、まっさきに胸骨圧迫を代わってもらって、全体が見通せる場所に一歩引いたこと。

このあたりは、確実に前回のシミュレーション訓練が活きています。

こうやって、自分たちでしっかりできているところを再認識して、さらに課題を見つけて取り組んでいく急変対応シミュレーション&デブリーフィング&スモールグループ・ディスカッション、とっても有効です。

最後のディスカッションの検討課題は、

・オペ室急変対応の上で必要なスキル・知識は何ですか?
・どうやったらそれを習得できますか?
・あなたは明日から何を行っていきますか?

というもの。

最終的に主催者が言いたかったメッセージはすべて、参加者の言葉として出てきました。

一方的に講義をするという従来の勉強会スタイルからの脱却。

そんなところも感じてもらえたんじゃないかなと期待しています。

皆さんのオペ室では、急変対応トレーニングを行っていますか?

外部講習としてACLSを受講してきました、というのでは不十分ということは、実際の仕事場でシミュレーションをしてみないとわかりません。

ぜひお勧めします。

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コメント

  1. 太田タクヤ より:

     
    本当に素晴らしいですね。
     
    VF確認後すぐに質の高い胸部圧迫をできて除細動器を持ってこさせるように指示できるか。
    オペ室に限らず、何処にいても役に立つ知識と技術だと思います!
     
    実際にやってみるのとただ講習で習うのとでは全く違いますね。
     
    シミュレーション練習。
    やりたいです!!

  2. OPNs より:

    いつも大変勉強になることばかりでまた、楽しく読ませてもらっています。
     
    このシュミレーション練習はとても素晴らしいことだとおもいました。
     
    ぜひうちの病院のOP室でもやってみたいです^^