有給休暇が取れない場合の病院との戦い方

皆さん、有給休暇、ちゃんと取れますか?

使わないと2年間で失効してしまう年次有給休暇。ここ数年、私は余らせたことがありません。失効してしまう分はぜんぶ使いきってます。

だって考えてみれば、有給休暇というのは「仕事をしなくてもその日の分の給料をあげますよ」という太っ腹な労働者にはうれしい制度。

ナースの日当、給料明細から計算できますが、少なくとも1万円はあるはず、それなりの期間働いていれば2万円は超えているんじゃないでしょうか?

年次有給休暇が時効で失効するというのは、その日数分の1万数千円をドブに捨てているようなもの。
例えば20日分が失効するということは、少なくとも20万円以上の損失。

もったいない。あり得ない話です。

私は有給休暇を余らせたことはありませんが、周りのスタッフが同じかというとそうでもなく、みんなは平気でドブに捨てています。それが不思議。

みんな口々に言います。

有給休暇を取るだなんてそんなことできない。
だってみんな使ってないでしょ?

って。

まあ、別に他の人のことは知りませんけど、年次有給休暇は労働者の権利なわけで、自分で申請しなければ取れません。それを取らないというのはまた個人の自由なわけで、私はとやかく言いませんが、あまりにもったいないと思う次第でして。


年次有給休暇、取れないのではなく、取らない?

このブログでもしょっちゅう書いてますが、職場というのは労働者が年次有給休暇を申請したら、拒否できないことになっています。これは法律の規定です。

だから有給が取れない、なんてことはないです。取らないだけ。つまり自分の責任。

周りの空気を読んで、目立つことをしたくないというそれだけなんですよね。

あいにく私は鈍感力が強いので、そういうの気にしません。それで堂々と有給休暇の申請をして、そして普通にそれを取得しているだけ。

女性社会特有の日和見主義なのかなと思うのですが、どうやらそれだけではなく上からの圧力も存在しているということを最近知りました。

私は物事をはっきり言う方なので、私には言わないだけなのか、後輩なんかが有給を取りたいというと、あーだこーだ言われるらしいんです。

師長とか職場の先輩とかだけじゃなくて、一般常識を持ち合わせているはずの職員課の事務職員も!

それって驚きでした。職員課に有給取得の相談に行ったら「有休使えるのは忌引とか病欠ですからね、普通は。常識の範囲で!」と言われたらしい。

私が知っている常識は、法令なので、もし私がそんなことを言われたら黙ってないなと思いました。

覚悟を決めたら、必ず取れます

この問題、私だったらこうやって攻める! という例を紹介します。

まずはネコをかぶって職員課職員の言質を取りに行きます。

要は、有給は取れないもの、取らせない、みたいな発言を引き出すわけです。

ここであまり強気に攻め込んだり、戦ってはいけません。あくまで知識がない普通のナースを演じてください。そうすると向こうも強気に出てきてボロがでますから。

ここで強気に攻めればとりあえず目の前の問題は解決するかもしれませんが、その場だけの話。

今後恒久的に権利を勝ち取りたければ、後に説明するように文書として残る形で結果を出すべきなのです。会話は会話だけで終わってしまって、後に続かない。だからこの場ではがんばり過ぎないこと。

できれば、録音もしておくといいのですが、まあそこまでは必要ないかもしれません。でも話をした人の名前と日付と時間はメモしておきましょう。

で、次に労働組合にその件を尋ねます。「職員課にこんなことを言われたんだけど、、、」と。

力のない労働組合の場合は、この手の問題を避けようとしますから、その場合は、組合会議などの場で公開質問の形に持ち込みます。会議の場での発言は議事録に残されます。つまり、事実として記録に残るわけです。

そうなると、組合としても動かないわけにはいかなくなります。

文書、記録に残すこと!

記録に残らない話だと、いくらでもごまかしますし、知らなかったふりをします。

だから議事録に載っているという事実があることが大事。そこからはじまります。

文書に残らないと、亡き者にして無視をしつづけますから、とにかく文書で、ということが必要なわけです。

こんな感じで、私はこれまで何度か労働組合を使って職場の制度を動かしてきました。

最初は戦術もなかったものですから、順当に決められた手続きで組合に意見を出しましたが、それは執行部内の非公開で内々の部分で処理され、結果的には無視されました。

そんな経験を踏まえて、次からは執行部への予告なしに、ゲリラ的に公式会議で発言する形で問題を提起をしてみるに至りました。会議は騒然となりましたが、さすがは公開の場。検討させて頂きます、という発言を得て、そこから打開策が生まれました。

私の主張は至極まっとうなもの。組合員の目があるからムゲにもできない。それが公開質問のメリットです。逃げられなくなるんですね。

こんなふうに組織に圧力をかけるためには、1:1 の個別の話し合いではなく、公開の場へ持ち込むというのが勝因となります。

主張は提出できるように文書にまとめておく

また主張はあらかじめ文書にまとめておくことをお勧めします。それは言い漏らしを防ぐという意味合いと、いついつこういう内容を伝えたという証拠になるからです。最後はそれを先方に提出すること。

ホントは文書での回答を要求するといいのですが、そこまではしてくれない場合がほとんど。でも文書で質問されると先方に与えるインパクトは大です。最後の手段としては内容証明郵便で送りつけると脅迫に近いくらいの効果が期待できます。

これは病院相手ではありませんが、以前、とあるトラブルで使って、その効果の絶大さを実感したことがありました。

本気で戦いたい方は、参考にどうぞ。

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コメント

  1. kenoif より:

    なるほど!職場で自己意見を主張する良い方法です。ナースは看護部所属で、その内部で意見を抑え付けられることが多いですよね。意見はあっても、何だか知らないけど師長に強く言われるから泣き寝入りするとか、労働組合なんて聞いた事があるけど、どう利用したらいいのか分からない➡そのまま・・・なんてことになりがち。法的な相談窓口とか欲しいですね。

  2. タロ より:

    看護研究の調べ物をしていて、こちらにたどり着きました。
     
    この記事を読んで、すごくスカッとしました。
    私は今、インフルエンザ中なので病休というカタチで有給を5日使用していますが、ふだん自分の希望で有給を使わないため、病休でも嬉しいんですよね…。
     
    有給は上司が組み込めそうなときに、月1回くらい入れてくれるもの、という認識しかない私も駄目なんだな…と思いました。
     
    以前の職場でも退職の際に「有給を使いたい」と言ったらバッサリ「使えない」といわれて泣き寝入りしてしまいましたし、泣き寝入りしない知識は持っておかないといけないと思いました。