学士は大卒とイコールではない【大学評価・学位授与機構】

私が商売ネタにできるくらいの得意分野と言えば、BLSとファーストエイド、それと本職である手術室看護あたりが中心ですが、ここ数年、どういうわけだか大学評価・学位授与機構を使っての学士(看護学)取得に関する講演依頼が続いています。ついこの間も。

ということで、せっかくなので今日は久々にそんなネタを。まずは、学士とはなにかというお話です。

学士と大卒の違い


学士というのは修士や博士と同じ「学位」です。

日本ではふつう大学を卒業すると与えられるものです。日本だと○○大学の○○学部を卒業しました、とか表現されることが多いですが、国際的には出身大学がどことか卒業したのかどうかはあまり関係なく、その分野での学士を持っているかどうかが問題にされることが多いようです。

そんな学士は大学を卒業しなくても取得できます。

日本で学士の称号を認定・発行できる機関は、いわゆる「大学」ですが、それ以外にもうひとつ元国立機関で、今は独立行政法人になっている大学評価・学位授与機構も、その名の通り、学位を発行できることになっています。

大学評価・学位授与機構

独立行政法人 大学評価・学位授与機構といっても馴染みがないかも知れませんが、ナースに関係するところだと例えば国立看護大学校の卒業生は学位授与機構から学位の発行を受けています。

というのは、国立看護大学校は大学校であって文部科学省所轄の「大学」ではありません。ですから学位は発行できません。

そのため、国立看護大学校の学生が、学位が欲しいとおもったら卒業後に独立行政法人 大学評価・学位授与機構に申請をして審査を受けて学士(看護学)を取得するという手順を踏んでいます。

ということで、一応看護界ではエリートとされる看護大学校卒業の人は、正確には「大卒」ではないのです。知ってました?

で、この学位の申請はいわゆる専門学校や短大卒業の人でもできます。さらに言えば准看を経由して2年制過程を経て看護師免許を取ったきたいわゆる進学コースの人もたいていの場合は申請できるんです。

必要なのは、大卒相当として足りない授業単位を取得することと、学修成果レポートと呼ばれる論文の審査、そして最後に論述式の筆記試験に合格すること。

看護大学を卒業しなくても学士(看護学)が取得できる

この3つのプロセスを踏めば、わざわざ全日制の看護学部とか看護学科に編入しなくても学士(看護学)の学位を取ることができます。かかる期間は無理して急げば半年ちょっと、私の場合ですと1年ちょっとで取得にこぎ着けました。

フルタイムで働きながらで全然OK。生活パターンを変える必要はありませんし、論文以外はさほど苦労した思いはありません。費用も科目履修で31単位取るための学費として20万円ちょっとくらいと、審査費用で合わせて25万円程度。

余裕があったら、次回は単位取得について、もう少し詳しく書こうと思います。一言で言えば全国どこでも入学できる放送大学の科目履修で166教科、医療に関係してそうな科目を取ればOKというお話です。

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コメント

  1. rurumama より:

    助産師です。おかげさまで私も去年の4月に放送大学入学し、今年7月受験の大学評価機構の試験で看護学学士合格させていただけました。ひそかに誰よりも支えにさせていただいていたので、とても感謝しています。また次の目標に向かって頑張ります。

  2. rurumama より:

    私の勤務先は某社会福祉法人の大病院ですが、大学評価機構の学位を認めないばかりか、履歴に上げる価値もないと言われ、トップの低レベルさに唖然としてしまいました・・・不足単位を補充し、試験に合格して大学と同等の学位を授与されることの意味すら理解できないとは情けない・・・そんな看護師がトップに君臨しているのですからモチベーションが上がるはずもありません。これをどこに相談すればいいのかと悩んでしまいます。