放射線管理区域以上の汚染地域で暮らす福島の子どもたち、妊婦さん

今日、10キロ近い鉛の防護具を着て、放射線管理区域内で腹部大動脈瘤ステント留置の手術(今日は約3時間)を担当していて思いました。

福島県の子どもたちや妊婦さんは、こんな環境の中、24時間、普通に暮らしているんだよなぁって。

福島第一原発の爆発事故以来、20倍に引き上げられた放射線被曝の基準値。

福島県内の小中学校で、放射線管理区域以上(0.6マイクロシーベルト/時以上)となっている学校が、75%以上に上るそうです。

要は病院のカテ室の中で暮らしているようなもの。(基準値で言ったら放射線管理区域の6倍らしいです、暫定基準値20ミリシーベルト/年って)

ましてや放射線管理区域は18歳未満は健康への影響があるということで就労禁止になっているところに、小さな子どもや妊婦さんが普通に生活していて、かつ、24時間常に被曝。さらには病院の放射線管理区域ではありえない内部被曝というおまけつき。

こういう話をすると、有害という明確な根拠はないとか、言われがちですが、健康被害があるとかないとか、そういう話以前に 異常、ですよね。

私たちが働く手術室では、妊娠が発覚したり、不妊治療をしている人は、放射線管理区域に入るオペからははずされます。管理区域内にいてもプロテクターを着ているから、それほど浴びるわけではないのですが、それでも決して妊婦は入りません。

そんなのが常識だったところに、今の福島。

ありえない!!

というのが正直な感想。

おそらく、これは手術室看護師やカテ室ナースを含めて、医療者誰もが思う自然なインプレッションだと思うんですけど、どうでしょう?

科学的根拠がどうのこうとかそれ以前に「おかしいじゃん!」って話。

もともと一般市民が被曝することが許容されていた基準値は1mSv/年。それが20ミリに引き上げられたとき、世界中の有識者や学会から反発があったのはご存知のとおり。日本医師会も反対声明をだしています。

20ミリシーベルトに引き上げられた後の文部科学省と原子力安全委員会の会見を見ましたが、根拠ってなんにもないんですよね。

誰が決めたのかもうやむや。文科省は原子力安全委員会に相談して決めたというけど、原子力安全委員会はそれを認めていないと断言していたし、、、(Youtubeにもアップされてますが、こちらの解説ブログ記事、わかりやすいです。)

実際に健康被害があるかどうか、なんて科学的な議論には今はあまり興味がありません。そろそろ結果は出てくると思いますが、それが検証されて統計データとして出てくるのは何年か何十年後かの話。

いま、私が思うのは、これまでの私たちの常識からしてありえないことが行われているという事実への驚きだけです。

どう考えてもいいはずがない。私はそう確信しているのですが、看護職の皆さん、いかがでしょうか?

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コメント

  1. komama より:

    元福島市在住のナースです。
    (現在他県に避難中)
    本当に今の福島は「ありえない」状況だと思います。
    健康被害がはっきりと出てくるのは秋頃から本格的に・・・という話も聞きます。
    友人の福島在住ナース達も本当は県外に出たいと言っています。
     
     

  2. 被災者 より:

    おかしいのはおまえだよ
    偽善者乙

  3. 鈴木博喜 より:

    大変参考になりました
    ぜひ、取材をさせていただきたいくらいです