シカゴ外科学博物館

いま、アメリカのシカゴに来ています。

AHAインストラクターとして、アメリカ心臓協会(AHA)のガイドライン2010アップデートを受けるためにはるばるシカゴまで。

資格更新でハワイには何度か行っていますが、アメリカ本国は初めて。

初めての場所だと、空港からどうやって町中へ行こうとか、街の勝手もわからずドキドキです。

幸いIPhoneが使えるので、調べ物はすぐできるし、地図とナビ機能も便利。

大いに助かってます。

さて、到着してすぐの今日は、時差ぼけでぼーっとなりながらも、地下鉄に乗って街の中心地に行ってブラブラと。

シカゴというと博物館や美術館が有名なのですが、ぼけた頭で中途半端な時間で行くのもナンなので、結局、ちょっと離れたところにある医療史博物館に行ってきました。

Museum of Surgical Science

という医大に併設された博物館。

正確には外科学博物館、でしょうか。

シカゴ外科学博物館

行ったときはたまたま特別展の最中で、日本でもおなじみの「人体の不思議展」をやってました。

プラスティネーション(プラスとミック)という体液を樹脂に置き換える技術で保存した本物の人体の解剖学展示。

展示内容は企画展に完全に入れ替えられていて、もともとの展示物(昔の医療器具)などは、プラスティネーション標本の合間におまけみたいな感じで展示されていて、たぶん展示数も相当減らされていたんだろうな。

ちょっと残念。

海外に行くたびに、この手の医療系の博物館には行くようにしているのですが、どこも置いてある物はだいたい同じですね。

器具で行ったら、抜歯鉗子、穿頭のドリル、児頭鉗子など。

特に鉗子分娩の鉗子はどこも沢山取りそろえてあります、なぜか。

ここは外科学博物館というだけあっておもしろいなと思ったのは、消化管吻合に使う自動縫合器や吻合器開発の歴史的推移が展示されていたところ。

ぜんぜん知りませんでしたが、自動縫合器の開発には日本人も関わっていたみたいですね。

特にNakayama式というタイプは、今のエチコンの原型になっているような感じ。

そのほか企業から提供された人工骨頭や、髄内釘のT2、頸椎前方固定のプレミアの原型みたいなプレート、PLIFに使う腰椎後方固定の器具など、インプラントの歴史をおうような展示も個人的にはおもしろかったです。

市街から地下鉄で3、4駅。普通の人がわざわざ行くような所ではないかもしれませんが、オペナースの皆さんでしたら、ぜひどうぞという博物館でした。

ちなみに本来のこの博物館の目玉は、インカ時代のお墓から出てきた外科手術の跡がある頭蓋骨。

血腫除去なのかな? かなり大きな穴が空いた頭蓋骨が展示されています。

驚くべきは、穴の輪郭に仮骨が形成された跡がある点。

つまりその人は手術後に何年も生きていた、ということです。

直径3センチくらいは空いてましたが、不思議。

ということで、シカゴ日記でした。

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コメント

  1. 通りすがり より:

    普段、医療ドラマを好んで観ていて、
    医療の事に付いて無知な部分が多く、
    このサイトに行き着いたのですが、
    なるほど!という内容だらけでした。
     
    我々一般人は重大な病気になり要手術となると
    どうしても、執刀医の先生の腕などを気にしてしまいますが、
    実は手術室ナースや麻酔医や他の方々が
    日夜努力されているからこそなんだと痛感しました。
     
    私達には想像もし得ない大変な努力をされている方に申し上げるのは
    陳腐かもしれませんが、
    これからも頑張ってください。
     

  2. あき より:

    たまに拝見させていただいてます。
    シカゴでの収穫も大きかったようですね。
     
    私はいま通院してまして、病院の先生や看護婦さんの働きに助けられています。
    これからも頑張ってくださいね。