「医龍」がまたはじまりましたね。

おととい、フジテレビ系列のドラマで「医龍2」がはじまりました。

仕事から帰ってきたのが9時半過ぎだったので後半1/3くらいしか見られなかったのですが、あいかわらず見所満載でおもしろかったですねぇ(^^)
途中からみたものでストーリーはぜんぜんわかりませんでしたが、手術場面のリアルさは、いままでのドラマにない意気込みを感じさせます。

今回も思ったのですが、私がこのドラマを見ていて妙にツボにはまるのは、「容赦のない専門用語の羅列」にあるんじゃないのかなと思いました。

病態とか手術の術式とか、ドラマの進行上、視聴者がわかっていた方がいいことは登場人物が説明したり、CGでの解説が流れたりしますが、それ以外にもかなり本格的な専門用語が多用されているんですよね。

もうちょっとうろ覚えになってしまってますが、確か3枝CABGの最中に弁の腱索が切れてしまうという緊迫した場面がありました。

このあたりの緊張感はドラマの雰囲気で伝わったと思うのですが、いったい何が起きたのか、という説明は専門用語ばかりで見ている人にはわからなかったんじゃないかと思います。

カニュレーション、pump-on、MVR

「カニュレーション準備!」なんて言葉を聞いて、えっ、いままで3枝バイパスをoff-pumpでやってたの? と思ったし、5分で内胸と大網のグラフト採取終了?? とか、現場を知っているからそのすごさというか絵空事具合がよく分かるというか(笑)

もちろんドラマなので非現実的な部分はありますが、一般向けの解説を挟まないような小さな部分までこだわって、ホントのオペの流れに合わせてあるんだなというディレクターのこだわりがとてもよく伝わってきます。

いったいこのドラマは誰向けにつくっているの??

と思ってしまうくらい、細部までこだわったクォリティーです。

そのあたりのすごさは、きっと医療職でも限られた人しかわからないんじゃないかな。

日頃、心臓手術に関わっているオペ室ナースと、臨床工学技士(ME/CE)、麻酔科医、それに心外の手術を知っている医者くらい?

きっと、一般市民と、一般医療従事者、さらには心外手術に関わる医療者とで見る視点がぜんぜん違ってくるドラマなんじゃないかなと思います。

ちなみに過去に書いた医龍の感想はこちらです。

『オペ看』から見たドラマ”医龍”
ドラマ「医龍」から・・・麻酔科医って何者?
形成外科医の”巧の技”「Z形成」について

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コメント

  1. Rico より:

    めっつぇんばーむさん、こんにちは^^
    私も22時過ぎまでエステの仕事があって、最後のほうだけしかみていませんが、さっぱりわかりませんでした。
    専門用語もそうですけれども、「どうすごいの??」みたいな(笑)
     
    それより、過去記事を拝見して、麻酔医のすごさ、素晴らしさに読み入ってしまいました♪
    麻酔かけて終わりだと思っていましたし・・。
    尊敬する先生が麻酔科医ですので、「うはぁ~~~っ!」って。。
    医龍でも麻酔医?と思われる先生(香川照之かなぁ・・よくわからりませんでした)「絶対俺が戻してやる」みたいな台詞言っていて印象的でした。
    いきなり私の中で麻酔医のイメージ??アップ↑↑です。

  2. なお より:

    専門用語は、よく分からなかったけど、見てました。あれは、絶対医療関係者からかなり
    助言もらって作ってると感じました。

  3. もと より:

    初めてコメントします。
    老婆心ながら見られなかった部分をちょっと説明。
    初めの方は「朝田が居なくてグダグダな医者だらけになってしまった」&「患者数減少で病院経営が危機」と言う、いわば今回のテーマの紹介がメイン。
    そこに急患(自動車事故で多発外傷)が運ばれてきて、処置を諦めていたところに朝田が登場!…といった感じです。
    で、速攻で開胸、心タンポの心筋損傷箇所を手探しで発見&縫合+肝・腎破裂併発と聞くや右季肋部を経て開腹…トータル30分で全処置終了…といきなり神業全開でした。
     
    仰られる通り「容赦のない専門用語の羅列」が、知らない人には「ポカン」ちょっとかじった人には「なんだっけ?」専門医には「ありえねぇ~」と言った感じが私も堪らなく好きです。
     
    が、今回は最終回のようなヤリスギ感が…
    CA3枝バイパスの件も去る事ながら、心外医がカイザーしますかね?(設定上他の病院でやってるんだからそこは産科医に任せて良いんじゃないかと)、でバチスタに行こうと思いきや新生児にHLHS発見(そんな早く見つかるもんですか?)と強烈な展開…
    いよいよ楽しみですね。
     
    オマケ:Z形成について余談
    皮膚のテンションを緩和するのと同時に、皮膚の走行線上に縫合ラインを持ってくる事でより目立たなくさせる事も目的の一部です(ご存知だったらスイマセン)
    長文失礼

  4. Rico より:

    医龍2・・ドラマ全てがネットに(笑)アップされていました。
    全て観られまーーす♪
    お暇なときにでもどうぞ。
    (不都合でしたら、アクセス後コメントの削除をお願い致します。)
     
    http://kimamaniyoutube.blog78.fc2.com/blog-entry-2343.html

  5. 管理人 より:

    Ricoさん、なおさん、もとさん、こんにちは。
    メッセージありがとうございました。
     
    そうそう、「どうすごいの??」という疑問はよくわかる気がします。
    専門用語を羅列しながら解説なしにドンドン進んでいくんですもん。
    だから思うんです、「いったいこのドラマは誰向けにつくっているの??」って。
    そのうち、マニアな人がドラマ医龍を読み解く! みたいな解説本を出しても
    おかしくないかも(笑)
     
    なおさん、監修の医師・看護師の力の入れ方はもちろん、きっとディレクター
    さんも相当勉強したと思いますよ。きっと面倒なことはいっぱいあったと思うけど、やっぱりそれだけのことはあったはず。おもしろいです。
     
    もとさん、はじめまして。
    ストーリー解説、ありがとうございました。前半部分でも興味深い手術シーンがあったんですね。30分かぁ。ヘルニアとかC/S並ですね。おそろしや。
     
    最後にRicoさん、貴重な情報ありがとうございました。
    先ほどチラッと継いでみましたが、なんとかうちからも見れそうです。
    後で見てみます。それにしてもいまはインターネットでなんでも出来るんですね。こういうのって消される可能性があるから急いだ方がいいのかな。今晩にでも。

  6. shisley より:

    こんにちわ。
    僕もビデオ録画していたのを昨晩見ました。
     
    確かに仰るとおり「誰向け?」といった感じですよね。
     
    現場の方からしたら「?」という部分もあるにせよ、
    非常に面白く引き込まれてしまいました。
     
    坂口憲二が屋上で上半身裸でシミュレーションするのは、
    いつも笑ってしまいます・・・。
    「なぜ屋上?なぜ上半身裸?」(^^)

  7. 管理人 より:

    shisleyさん、裸でカンフーみたいなポーズでオペのイメトレという話はよく聞くんですが、残念ながらまだ見たことないんです。
     
    ネットで見られる動画にもチャレンジしてみましたが、通信速度が遅いせいか1分おきに画像が停まってしまって、やむなく断念。(Ricoさん、せっかく教えてくれたのにゴメンナサイ)
     
    ま、主人公はセリフが少ないだけに、そういう見せ場が必要なんでしょうね(笑)

  8. tinku より:

    初めて書き込みをさせていただきます。先日CABGのオペについたときのこと・・・、心外Drがグラフト採取中、「こないだ医龍で内胸動脈採取5分だった、いいよな~」なんて話がありました。先生方も実は結構意識しているんだなと感じました。第一シーズン時は患者さんからもバチスタについて聞かれたともいってましたし・・・。医療従事者でもOR経験者でないと理解は難しいよね~なんて話になっています。

  9. 管理人 より:

    tinkuさん、こんばんは。
    私の病院の中でも医龍は話題になってます。放映翌日の金曜日の職員食堂では医龍の話題がどこかから聞こえてきますし、もちろんオペ場でも。
     
    私自身、心臓の手術は長いし大がかりだからキライだったんですが、医龍のお陰か最近はちょっと好きになってきました。
     
    私の病院では、新人が徐々に難しい術式にステップアップしていって、最後の砦が人工心肺をまわすon-pump CABGと言われています。週明けに2年目の子がはじめてon-pump CABGに入る予定ですが、医龍のお陰か、昔あたりまえだった嫌々感があまりないような感じ。
     
    明日、病院で顔を会わせたら、「これで医龍の手術場面がバッチリ理解できるようになるね」と励まし代わりに言ってみようかなと思います。

  10. tinku より:

    こんにちは。私の病院でも心外の手術は最終目標とされてます。うちの病院では夜勤の関係もあり、私は一年目の終わり頃の心外に入り始めましたが、やはり緊張しました・・・。最近、他病院の看護師さんとお話する機会があったのですが、どこの病院でも心外は犬猿されやすいんだな~なんて感じました。医龍を基に心外のイメージアップにつながるといいですよね☆彡しかし心外Drからオペ中に話がでるとは思わなかったのでびっくりしましたけど・・・。実は麻酔科Drも意識してたりしますし、いたるところに医龍効果!?を感じるこの頃です・・

  11. 管理人 より:

    やっぱり心外って最終目標なんですね。
    私の職場では、心外は難しいというイメージが定着していて、ちょっと前なんかは教育担当や師長がなんといおうとお局様の許可がでないとオペに入れないという不思議なシキタリがありました。そんなこともあって、心臓手術に対して必要以上に慎重になってしまう空気があったのですが、今、新しく入っている子はケロッと「思ったほどたいへんじゃないんですね!」なんて言ってくれています。よくぞ言ってくれた! と思ってます。これから新しく心外の手洗いする子たちが変な先入観を持たずに嫌々ながらじゃなくやっていってくれたらなと応援しているところです。
     
     

  12. ぽん より:

    こんばんわ。「医龍」私も観てます。突っ込みどころ満載ってのもすごい共感します。でもいつもウキウキしながら観てます。それって何をしているのか、どういう意味なのかがよくわかるからなんでしょうかね(^^)。私がふと思ったのは、劇中では結構医者とか医療に対してイヤな感じで描いているところってあるじゃないですか?それを入院中の患者さんとかが観ていたら不信感を持っちゃったりしそうで嫌だなって。「ドラマだから」って済ませられればいいけど。考えすぎですかね。。だから消灯後の22時放送なのか~とか勘ぐっちゃいました。

  13. 管理人 より:

    ぽんさんも医龍を楽しんでいるんですね。些細なことですが「わかる」というのがなんだか楽しいですよね。
     
    さて医療不信を煽るかも、という意見、確かに。でも私は反対に好ましいこととして受けとめています。
     
    医療に対してはとかく”幻想”が世の中にはまかり通っていると思いません? 例えば医師・看護師たるもの献身的に働かなくちゃいけないとか、聖人君子たれ、みたいな。
     
    医師たちの違法な労働条件がまかり通っているのはそんな世間の認識があるからでは? と私は考えているのですが、そういった意味で人間くさく医療の世界を描くのも悪くないのでは? と思ってます。