看護師にとってのJPTEC(外傷病院前救護ガイドライン)

オペ室の話題からは外れますが、先日、JPTEC(ジェーピーテック)という外傷処置に関する標準化プログラムを受講してきました。

JPTEC ― 救急部門の看護婦さんなら聞いたことあるかもしれませんが、Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care の略で、外傷病院前救護プログラムなどと呼ばれています。

JPTECは本来は看護師向けではなく、救急救命士や救急隊員向けの講習会で、救急現場で怪我人に対してどうアプローチ(観察・処置)したらいいかを標準化したものです。

アウトドア・スポーツをしている私としては、外傷についても一度きちんと勉強したいと思っていました。だって野外でなにかあったときメンバーから頼られるのは看護師の私。なのに何もできないとなったら恥ずかしいじゃないですか。

BLSやACLSで、心疾患に関してはそれなりに自信もつきましたけど、日常生活でもありがちな交通事故とかアウトドアでの事故のときの応急手当って、医療者でありながらどうしたらいいのかという点は意外と勉強する機会がないんですよね。

まあ、救急救命士がプレホスピタル Pre Hospital に対して、看護婦はインホスピタル in Hospital の仕事が前提ですから当然といえば当然なんですけど。

そこで今回は消防士さんや救急救命士さんたちに混じってJPTECコースを受講してきました。JPTECプロバイダーコースは、丸一日かけての講習で、そのほとんどは体を動かす実技です。傷病者への近づき方、頸椎保護、全身観察の方法など、いろいろなスキルを練習し、最終的には救急隊の隊長になったつもりで現場到着から病院搬送までの間をシュミレーションしていきます。

◆ ナースにとってのJPTECプロバイダーコース

JPTECプロバイダーコース、正直いってきつかったです。なにがきつかったって、まずはその雰囲気です。

もともとは救急隊員(消防官)向けのコースなので、看護師は本来は門外漢。JPTEC受講生の大半は現役の救急隊員(消防士)さんたちで、雰囲気はかなり硬派な感じです。女性が中心の病院内の世界に慣れきった私には異質な世界で戸惑ってしまいました。

まさに異文化体験という感じでしたね。ひとつひとつ指さし確認するのも慣れないし、掛け声や返事はすべて「よし!」というのが消防流。指示は命令口調で、「隊員、頭部保持替われ!」「○○しろ!」と言った具合。

救急救命士は医療資格者とはいえ、あくまで消防職員であって、医療者文化とは別の世界にいる人なんだなと感じた次第です。

それとうちら看護師はあくまで病院の中で働くための教育しか受けていませんので、プレホスピタルで使う資材がぜんぜんわからない。バックマスクや酸素マスク、吸引くらいならいいのですが、バックボードとかヘッドイモビライザーなんて言われてもチンプンカンプン。

日頃仕事で使い慣れている人たちからすればなんでもないものでも、看護師にとっては未知のもの。他のみんなが共通認識があってわかっていることが自分だけ知らないというのは精神衛生上ツライです。

あとは指示出しですね。JPTECでは救急隊の隊長になった設定で、隊員と機関員(運転手)に指示を出しつつ救助活動を行ないます。指示がなければ隊員も機関員も自分からは何も動いてくれないので、リーダーとして的確な診断をして、チームを動かしていく能力が期待されます。その点、ナースはふだん指示を受ける側の立場で仕事していますので、このあたりも不得意な部分だなと感じました。

◆ JPTEC講習で得たもの

正直、最後の実技試験はボロボロでした。頭が真っ白になって酸素投与を忘れたり、重要な所見を見落としたり。かろうじて及第点はもらえましたが、ほんとギリギリだったと思います。筆記試験もあって、そっちの方は自信もあって問題なかったはずですが、やっぱり教科書だけでは勉強できない実技が弱かったなと思っています。

でも、JPTECを通して実際にヘルメットのはずし方や脊椎保護を意識した体位変換を体で学ぶ機会が得られたのはよかったと思っています。それに救急現場で何を考え行動しなくてはいけないかというしっかりとした指針を得ることができました。

これまでたまたま遭遇した交通事故の応急救護に当ったことが何度かありますが、そのときに感じた疑問と不安が、このJPTECプロバイダーコースによって解消された気がします。

実際私も経験ありますが、事故現場でけが人に近づくと、「触るな! 救急隊が来るまで動かすな!」と無責任な野次馬から怒鳴られることがあります。

いちおう頸椎損傷の疑いについても考えているつもりですが、いざそう強い口調で言われてしまうと、たじろいでしまうのも事実。でも今回JPTECで現場での頸椎保護の実際の方法と観察の手順、処置の優先順位について「標準」とされるやり方を学べましたので、今後は自信を持って傷病者に接することができそうです。

◆ 看護師のための外傷標準化コース JNTEC

ちなみに、いま救急看護学会の方で、JNTECの制定に取り組んでいるそうです。JNTECの N は Nursing の N です。つまり看護師向けの外傷標準化プログラムです。実はすでにプログラムのたたき台は出来上がっていて、去年あたりから通算4回ほどテストコースが開催されています。とあるJNTECプログラム策定に携わっている方の話をチラッと聞く機会がありましたが、まだいろいろ問題が山積みのようで、具体的な内容についてはオフレコにしてほしいと言っていたのが印象的でした。(ということでここでは詳しくは触れません。)

今回、JPTECを受講して思ったのは、やっぱり救急隊員向けだけあって「看護の視点」はほとんど入っていないんですね。ここにナースの視点が入ったらどうなるのか? 今後の正式なJNTEC制定が楽しみなところです。

◆ 看護師としての自分 職場を離れた場所で

私は日頃思っているのですが、看護師の仕事というのはひとつの「職業」ではありますが、職場から離れた場所でも活かすべき技術、果たすべき責任というのもあると思うんですね。医師と看護師というのは医療行為を行なうことが認められている数少ない立場の存在です。

そうした専門知識と技術は「職業」として使う以外にも、必要が求められれば出し惜しみをしてはいけない公共の財産としての側面もあると思っています。医師や助産師と違って看護師には法律的な応召義務の規定こそはありませんが、看護師自身の自覚として、そうした思いを持っていてほしい、と私は考えています。

ナースの知識と技術は社会資源のひとつである。そういった意味で、看護教育の中で心肺蘇生(BLS)は徹底的に教え込むべき技術だと思うし、JPTECで学ぶような外傷アプローチも同じく必要だと思います。

昔からBLSはいちおう看護教育カリキュラムには入っていますが、外傷に関しては皆無。現実を考えると、市民レベルで教えられている応急手当であっても、すべての看護師が実際に行えるかというと相当疑問が残ります。教育カリキュラムにないというのが最大の問題だと思います。

まあ、外傷に対する新しいアプローチ(外傷標準化プログラム)が、日本に導入されたのは2000年頃で、JPTECが発足してからもまだ3年しか経っていないということもあります。でもナースも一市民として社会生活を送る以上、いざというときに動けるように、JPTECのような外傷標準化プログラムの知識は多少なり持ち合わせていた方がいいと私は思うのです。

講習を受けてきたばかりで、JPTECに「かぶれてしまった」のかもしれませんが、今はそう思っています。

◆ JPTECの教科書

JPTECについて勉強しようと思ったら、公式のテキストブックは2種類あります。ひとつは『外傷病院前救護ガイドラインJPTEC』もう一冊は『JPTECプロバイダーマニュアル』です。実際に手に取ってみるとわかりますが、前者は本格的な医学書、後者は実技のためのビジュアルガイド的な感じ。薄っぺらくて値段も安いです。

JPTECプロバイダーマニュアル     外傷病院前救護ガイドラインJPTECテキスト

実際にJPTECプロバイダーコースを受講されるのでしたら、『JPTECプロバイダーマニュアル』もあった方が実技の要点がまとまっていてわかりやすいですが、机上の勉強にはほとんど意味がありません。

ですので、外傷のメカニズムや解剖・生理をしっかりと勉強するならまずは『外傷病院前救護ガイドラインJPTEC』が必携です。

おそらく筆記試験もこの本を熟読しないと合格は難しいと思います。最初は救急隊員向けのコースだと思っていたけど、この教科書を見てかなり本格的な中身にびっくり。救急救命士さんならともかく、ふつうの救急隊員さんにはちょっと難しすぎるんじゃない? という気も。看護師の我々にとっても勉強のし甲斐がある内容でした。

◆ JPTECプロバイダー認定カード

最後にちょっと余計な話ですが、丸一日かけて行なわれるJPTECプロバイダーコースを修了し、実技試験と筆記試験に合格すると、JPTEC Provider として認定され、認定証が発行されます。

JPTECプロバイダー認定カード

AHAのACLSコースなどとは違ってその日のうちにカードをもらえたのですが、受け取ってみてガッカリ。なぜって、あまりにちゃっちいんですもん。

どう見てもインクジェットプリンタで手作りしましたというのがミエミエのクォリティーで、用紙はどこにでも売っている手作り名刺用のプリントペーパー(エッジに細かいミシン目が入っているのでわかります)。あまりにお金をケチりすぎじゃありません?(笑)

デザインもきっと誰か素人のスタッフが考えたんだろうなという洗練されていない感じで、いけてません。とくに「認定日より3年間有効。」というあたりがイタイ。なぜこんな位置に書く必要があって、しかも最後に”。”が付いてるの?? モーニング娘。じゃあるまいし(笑)

JPTECは日本救急医学会認定の公認資格で、いちおう全国規模でやってるんだから、もうちょっときちんとしたものにしたらいいのに。これじゃ、まるで草の根でやってる個人勉強会の修了証です。その点だけが残念でした。

スイマセン、最後に余計な話で締めてしまって。
でも内容に関しては、まわりのナースにも勧めたい、実に中身の濃い有益な講習会でした。JPTECが医療者の常識になる日が来るのを期待してやみません。

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コメント

  1. 姉さん より:

    凄く面白そうなセミナーに参加されたんですね。私もすんごく興味あります!!
    BLSとACLSも取りたいんですが、受験料がバカ高いので、今貯蓄中の身としては…。一応、BLSのプロバイダーマニュアルだけは持ってますが…。
    でも、本当、JPTEC的なことは、私達も知ってる必要もありますし、知ってれば知ってただけ、どこかで役に立ったりしまもんね。
    いつも面白い内容で、とても読むの楽しみにしています!!
     
    ところで、受講料いくらです?(笑)

  2. 管理人 より:

    姉さん、さっそくの食いつき、ありがとうございました
    海外も視野に入れて活動されている姉さんには、ぜひお薦めです。
     
    JPTECなどの外傷プログラムはACLSやBLSに比べるとまだまだ認知度が低いですけど、数年もすればナースの間にも広まってくるんじゃないかな。
     
    ACLSも私が受けた数年前には、病院内のナース、他に受講者誰もいませんでしたもん。ACLS、なにそれ?って世界でした。それが今ではだいぶ変りましたよね。
     
    JPTECの受講料は8,000円でした。AHAに比べればちょっとは割安かな。(話は逸れますが、AHAのACLSよりは日本救急医学会のICLSの方が格安でお薦めです)
     
    ただ現行のJPTECは消防職員への普及が第一優先なので、他の医療従事者が受講するのは難しいようなんです。そもそもコース開講が一般公募されていないパターンが多くて、実は今回、私もコネで参加させてもらいました。
     
    そう言った意味では、同じ外傷標準化プログラムでもアメリカ生まれの本家本元とも言うべきITLSの方が門戸は広そうです。
     
    ITLS JAPAN
    http://www.itls-japan.com/
    JPTEC協議会
    http://www.jptec.jp/
     
    ITLSもJPTECもどうもウェブサイト展開がよくないみたいで、本部のウェブを見てもイマイチ内容が見えてこないんですよね。詳しい情報を得るには多少は検索をかけてみないとダメかもしれません。

  3. のら より:

    はじめましての投稿です。
    私は手術室しか経験のない看護師です。
     
    実は2ヶ月ほど前、家の傍で乗用車の自爆事故がありました。私がその場に行っても何もできないことは分かりきっていましたが、けが人がみえ、「とにかく行ってどうにかしよう」とタオルを持って家を出ました。
    けが人の意識はクリアで大腿骨骨折しているのは分かったのですが、何をどうしていいのか全く分からず結局救急隊が来るまで話しかけることしかできませんでした。
    その時「自分は看護師なのに・・・」とかなり落ち込みました。
     
    この記事をたまたま目にし、JPTEC講習にとても魅力を感じています。
    これまでは今の環境にぬくぬくとしてしまい、救急看護に興味がありながら全く行動をおこしていませんでした。急にJPTEC講習を受けられるとは思いませんが、それに向け頑張って勉強しようと思います!
    「ナースの知識と技術は社会資源のひとつ」という考えにめちゃ賛同です!!救急現場で「看護師です」と声をあげ自信を持って処置のできるナースにないりたいです。

  4. 管理人 より:

    のらさん、はじめまして。大きな事故に遭遇されたんですね。
    ケガされた方に近づいて声をかける、それだけでも立派なことだと思います。そういうときって、事態が大きそうであればあるほど、誰もが手に負えないと考えて、遠くから見守るだけで近づかないという事態になりがちなので。
     
    実際、看護的側面から「声をかけ側にいる」というのはすごい重要なことだと思います。命に関わるケガでなければ、それが最大にして最高のケアという場合が少なくないはずです。私もナースとして自信を持って「側にいる」ことを意識的に実践していきたいなと思っています。
     
    実際、今回のケースで何ができたかなというと、結果的にはたぶんのらさんが取った行動とあまりかわらないかもしれません。明らかに骨折しているからと言ってそこを救急隊を待たずに副子固定するのは不適切だし、ケアとしてはやっぱり声かけ、励まし、あとは脊椎損傷の可能性を考えて頭部保持くらいでしょうか。それと生命に関わる徴候が現れないかの観察とか。
     
    実際にケアとして行なうことは「声かけ」しかなかったとしても、たぶんJPTEC等で勉強すると、どういう点に注意して関わったらいいか、どういう重篤な症状を意識して観察したらいいかがすっきり明解にわかりますので、同じ声かけだけでも自信を持って行なうことができる気がするんですね。「話しかけるしかできなかった」と思うのではなく、「話しかける」というケアができたと自信を持てるというか。
     
    スイマセン、生半可な知識でエラソに書いてしまいました。でも、とにかくのらさんの勇気ある行動に励まされました。看護の根本は「側にいること」だと思います。それを基本に外傷標準化プログラムの知識を添えることで、きっとよりすばらしい災害看護ができるようになるはず。私も勉強をはじめたばかりの身。一緒にがんばっていきましょう。

  5. アダチ より:

    はじめまして
    3人のこどもを育てている(ほとんど義母に育ててもらっていますが・・・)手術室4年目です。
    「JNTEC」で検索をかけて、このページを見つけました。JNTECの話は聞いていたのですが、どのように受講申し込みをするのか探していました。まだ公開開催していないんですね。テキストも見かけないですね。
    待つことにします。
    さて、私もJPTEC受講しました。とても楽しかったです。受講して終わりではなく救急救命士の方と共通の認識を持ち患者、傷病者の利益につなげることができると感じました。また、顔見知りになれたということは今後協力していく仲間として、よかった点です。
    災害医療についても触れてましたね。お勧めのセミナーがあります。
    集団災害医学会セミナーが年2回開催されるようになりました。机上訓練と模擬傷病者を設定したトリアージ訓練です。模擬傷病者はばっちりメイクをし迫真の演技で臨場感を出しています。本で得たトリアージの知識を行動として学ぶにはためになるコースでした。

  6. 管理人 より:

    アダチさん、はじめまして。オペ室勤務者でJPTECを受講されたなんて、なんだかうれしいです。ACLSなんかもそうですけど、他職種の人たちと一緒に受講するっていうのも、また別の意味で刺激・勉強になりますよね。
     
    JNTECは5回のテストコースが終わって、そろそろ本認定コースがスタートするはずですが、緊急脱気等の医療行為を含めることでいまだに物議を醸しているというかなかなかまとまらない部分もあるようです。始まったら始まったで枠が狭くてきっとオペ室ナースが参加するのは難しいんでしょうね。動向を見守っていきたいと思っています。
     
    集団災害医学会セミナーですね。情報ありがとうございます。
    調べてみます!
     

  7. うさ より:

    始めまして。
    私は一般病棟(内科・整形)に勤務していますが、救急に興味があり勉強中です。
    まだ駆け出しですが、BLSインストとして活動しています。
     
    「JNTEC」に関して詳細を知りたく検索したところ、こちらに辿り着きました。
    受講はまだまだ先のようですね・・・。
     
    「JPTEC」に関しても2~3年前から興味があり受講したいと思っていたところでしたので、とてもよくわかりました。
    筆記試験も難しいと聞きましたので、先ずはテキストを購入して、勉強してみます。
    ありがとうございました。
     
     

  8. 管理人 より:

    うささん、はじめまして。JNTECに関してはネット上でもまだまだ情報が少ないみたいで、私のブログに迷い込んでくる方が多いのですが、あまり役立つ情報がなくてごめんなさいね。エマージェンシー・ケア誌の6月号の内容に期待しています。
     
    JPTECはまずは申し込みが大変。地域にもよりますが、MC協議会に参加している病院だと病院経由で申し込みがしやすいみたい。興味があったら救急センターの主任さんなどに相談してみてはどうでしょう? なんかしらの情報を持っているかもしれませんよ。
     
    筆記試験は、確かに範囲が広いから難しいといえば難しいですが、教科書にないことは出ませんから、時間を掛けてテキストを読み込めば大丈夫ですよ。救急に関心があれば、興味のあることばかりでしょうから、時間さえ掛けれ心配ないはず。問題は実技の練習でしょうか。うちらin hospitalの人間には未知の世界ですし、練習するにも器材が病院にはない! 私が受講したコースでは事前勉強会みたいなものを2回開いてくれて、自主参加でしたが行って良かったです。あれ無しで、当日本番だけだったら消防の雰囲気に圧倒されるだけで終わってしまったかも。
     
    うささんも、もし受講が決まって、そういう事前勉強会とかがなさそうだったらコースディレクターの人に相談してみることをお勧めします。たぶんなんかしらの形で対応してくれると思いますので。

  9. うさ より:

    ご丁寧にありがとうございます。
    JPTECは、知識はどうにかなりそうですが、問題はやはり実技ですね・・・。
    消防の方々にお願いして、協力を貰った方が良さそうですね!
    申し込みに関しても良くわかりました!
    前向きに頑張ってみますね。
     
    また伺います。

  10. nori_co より:

    先ほどは初めましてのご挨拶もないままにコメントカキコさせていただきました。JPTECプレインストのnori_coと申します。
    長崎に住んでいるのですが、長崎が特殊なのか、実技試験で落ちる人はほとんどいなくて、筆記試験ができない人が大多数でした。最近では消防官以外の方の受講が増えており、インストラクターコースですら消防職員が5割程度でしたよ。自衛隊の医官や看護師も多かったです。デモ演技のDVD付きプロバイダーマニュアルが発売されましたから、実技試験に問題なく受講に臨まれる方が増えてくるのではないでしょうか。
    長崎では受講が決まったら、最低でも2回ほど市内のインストラクターが集まって、実技の事前学習会をしています。そこでほとんどの方が十分に理解されているようです。
    わたしの場合、内科の病院に勤めているのですが、子どもが4人いてそれぞれにスポーツクラブに所属しており、遠征があったり試合があったりと出かけることも多く、また、災害救護のことも考えて受講しました。うちの病院はDMAT指定病院ではありませんが、自治体病院のせいか阪神淡路大震災にも救援活動として医師と看護師を派遣しました。それに病棟では入院患者さんの転倒・転落などもあり、基礎的な手順を身につけたいと思ったからです。
    放送大学に在籍していたこともありましたが、今はBLS・JPTECと子どものことで忙しいため辞めてしまいました。でも一応看護学士です。と言っても日本の学士ではなくオーストラリアの資格ですが。もっと若い頃に勉強しておけばよかったと思うこともたびたびですが、思いついたときに勉強するのもありかなと思ってがんばっています。
    新しい出会いもあり、いろんな刺激を受けることもまた楽しみの一つですから。
    お互いにがんばりましょう。

  11. 管理人 より:

    nori_coさん、こんばんは。
    BLSとJPTECのインストに看護学士、4人のお子さんと、盛りだくさんな生活をされているんですね! 私がこれから進む道(?)の先輩のような方だなぁと思いながらコメント読ませていただきました。
     
    確かに医療という共通項を持ちつつ院外の世界に触れるようになって、いろいろと幅はひろがってきたなぁと私も感じています。なんだか一気にいろいろなことに手を伸ばしすぎてしまった気もしますが、まだ体が元気ですから、思ったときに思ったことをやろう! そう思っています。
     
    ブログも拝見しました。熱く活動されているんですね! 過去記事もじっくり読ませていただこうと思います。

  12. アダチ より:

    以前、コメントを書かせていただきました。ぜひ紹介したい点があり再び書き込みさせてください。
     
    テレビ番組の紹介をします。4月23日(月)午後10時からNHKスペシャルで「トリアージ」を特集します。題名は「トリアージ命の選別―尼崎列車事故2年災害医療の最前線―」です。以前、「集団災害医学会セミナーが年2回開催されるようになりました。机上訓練と模擬傷病者を設定したトリアージ訓練です。模擬傷病者はばっちりメイクをし迫真の演技で臨場感を出しています。本で得たトリアージの知識を行動として学ぶにはためになるコースでした。」と紹介したセミナーにNHKの取材が来ていましたのでセミナーの様子がわかると思います。
     
    兵庫県立看護大学のサイト「災害看護命を守る知識と技術の情報舘」では能登半島沖地震について看護最前線としてレポートが載せてあります。災害看護についておおくの方に関心を持っていただけたらと案内いたしました。
     

  13. 管理人 より:

    アダチさん、情報ありがとうございました!
     
    トリアージって理屈ではわかるけど、いざ実際の運用を考えるとツライものがあるし、なにより被害者家族や市民への理解を求めるにはどうしたらいいのか私にはわかりません。こうしたテレビ報道でトリアージの考え方が広まってくれたらなと思いました。番組、見るようにしてみます。ありがとうございました。

  14. ガロ より:

    お疲れさまです
    今度JPTEC受講するのですが筆記試験は何問ぐらいあるんですか

  15. 管理人 より:

    ガロさん
     
    私自身、JPTECを受講したのはもう何年もまえの話で、正直覚えていません。
     
    ただ、幅広くかなり突っ込んだ設問だったのは覚えています。
     
    お役に立てなくてごめんなさい。

  16. kokoyamako より:

    はじめましてm(__)m
    救急救命士として勤務についてます。
    JPTEC、ITLSなどを病院関係者の方々が勉強されるのはとても心強いです。
     
    みなさんが勉強されるのを、我々消防職員も見習わなければなりませんね。
    近くの病院スタッフもここ最近受講をするようになりました。なんとも心強いことです。
     
     

  17. マックス より:

    記事を書かれてからかなりの年月がたっているようですが、
    私も看護師でJPTECのプロバイダーを2年前にとりました。今回、インストラクターコースを受講しようと勉強していますが、
    何せ現場に出たことがないので傷病者役で演技しているだけならいいのですが、指導までは正直難しいなあと思っています。
     
    ですが、専門外を勉強することに意義があると思うのでこの記事を見て勇気も出ましたし、来月の試験をまずはパスしようと思います。

  18. ラブリー より:

    だいぶ、昔の記事のようですが・・・
    あきらめかけて読んでいたらマックスさんの書き込み:::
     
    比較的最近?の記事を読んで、書き込みの勇気もらいました。
     
     
    若い頃オペナースで、ここ10年近くは法人の人事異動で老人福祉施設を任されていました。
     
     
    でも、どうしてもオペ室が忘れられず・・・。
     
    最近念願の復帰!
     
    ところが、以前の私のうわべだけの知識や技術に愕然としていたところです。
     
     
    今更聞けない恥ずかしいほどの基本事項を質問できる先輩が欲しくて、ネット上をさまよってます:::
     
     
    でも、せっかく戻った現場だもの。がんばります!
     

  19. かけ出し受講生 より:

    あまり前向きでないコメントにがっかりです。病院に搬送される前に、どのような処置がなされたのか、そのような環境であったかを知ることは、後の看護や観察にとても重要なことだと私は思っています。

  20. みちや より:

    バッチはもらえますか?