手術室 ― 医師とナースの人間模様

今日は、以前もちょこっとリクエストがあった、手術室での医師と看護師の人間関係についてサラッと書いてみようと思います。

私は、オペ室経験しかないのですが、どうも病棟ナースに比べるとオペ室ナースの方が医師たちとうち解けることが多いような気がします。

単なる私の印象なんですが、毎年の忘年会の様子なんかをみると、そう感じてしまうんですねぇ。病棟主催の忘年会に参加して、さて二次会ですという場になると、なぜかその科のドクター連中は、病棟ナースじゃなくてオペ室ナースの集団と一緒に別に店に行っちゃったり。病棟主催の2次会カラオケにしても、夜中過ぎて最後まで残っているのはなぜかオペ室スタッフとDr.だけだったり。

なんか病棟ナースのDr.との付き合い方を見ていると、どうもあっさりしているというか社交辞令的な空気を感じてしまうのです。まあ、そんなことは病棟の雰囲気とかにもよるとは思うので一般化はできませんが。

ただ事実としてあるのは、仕事をする上で一緒に過ごしている時間は、病棟ナースに比べてオペ室のほうが長い、というのはあると思うんです。術式によっては5-6時間も超至近距離で器械出しをするわけですしね。

オペ室で働いている方ならご存じのとおり、オペ中というのは別に四六時中ピリピリした雰囲気というわけではありません。いろいろ無駄話をしながら、まったりと時間が過ぎていくというオペもあるわけで、とかく医師たちとおしゃべりをして時間が過ぎていくという場面も多いです。

そんなことからも、とかくオペ室ナースは医師たちと密な関係性がある気がします。オペが難航して長丁場になってしまった場合などは、麻酔科医や外回り看護師も含めて、なんとかチームで乗り切っていこうみたいな気持ちを強く感じることもあります。終わったときは、ホント心の底からお互い「お疲れさま!」の気持ちにもなります。そういう共同作業からの連帯感というのもあるかもしれません。

あと、おもしろいのは医師たちは、病棟や外来での顔とオペ室での顔はずいぶん違うらしいという点。オペ室ではわがままで、すぐに怒鳴ってペアンを放り投げるようなDr.が、病棟ナースの間では紳士的で好きなドクターナンバーワンになっていたり。。。

(余談ですが、とある整形のDr.は、「こんなヤワな器械使えるか!」とエイヒを床に投げたことがあります。エイヒは漢字で書くと鋭匙。鋭いサジという意味。つまりその「ドクターはサジを投げた」わけですね。 ね、笑えません?)

基本的にはオペ室に来ると「素」が出るんだと思うのですが、同じ医者のことでも病棟ナースとオペ室ナースで意見が二分されるというのはおもしろいところだなぁと思います。

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コメント

  1. れん より:

    確かに病棟と手術中の性格が違ってくる医者は多いです。あんなに、いらいらしてる印象があるドクターも病棟では患者さんに人気があったり・・。まぁ、手術っていうのは、患者さんの命に直に関わるところがあるし、特に出血なんてしてるときに、のほほ~んとしているのもどうかと思いますけど。それにしても、ひどい、感じが悪い人とかもいますけどね。意識がない患者さんに愛想振りまいても仕方ないでしょうけど。うまく使い分けてるんですかね・・。いらいらさせないように、うまく医者を使う技術もOP看護師には必要なのかもしれません・・・。個人的な意見ですが・・。
     

  2. 管理人 より:

    > いらいらさせないように、うまく医者を使う技術もOP看護師には必要なのかもしれません・・・。
     
    そうかもしれませんね。うちの職場にもうまくDr.を操る魔法使いみたいな人もいますが、私はダメです。言いたいことをズバズバ言っちゃうからなぁ。

  3. 看護学生 より:

    はじめまして!私は5年一貫教育に通ってる看護学生です☆
    今、手術室の実習をさせていただいてるのですが、実習する前までは小児科希望でした。
    でも、今回、手術室の実習を行わせていただいで、将来は手術室Ns希望になりました!
     
    看護師さんは病棟とは違うかっこよさがあって何よりDrとのチームワークが素晴らしかったです!!
     
     
    実習は大変ですが,これからもがんばっていこうと思います☆
     
    電気メスの話…初耳でした♪

  4. 管理人 より:

    看護学生さん、はじめまして。
    いや~、嬉しいですね。
    学生のうちからオペ室に興味を持ってくださるなんて。
     
    確かにチームワークの良さというのはあるかも。
    私も最初、手術室に配属になって手術現場を目の当たりにしたときは、それを強く感じました。腹臥位の脊椎手術では、全麻後にバルーンを入れたり体をひっくり返したりと繁雑ですが、スタッフは誰に指示されるわけでもなく、テキパキと行動してスムーズにセッティングが整っていく様子、不思議でした。
     
    みんなが手術進行の全体像がわかっているものだから、状況を見て必要なところを補い合える。プロだなぁと思いました。
     
     
    オペ室配属希望、通るといいですね。
    実習レポートで困ったことがあったら気軽に相談下さいね。

  5. 看護学生 より:

    お返事ありがとぅございます♪
    今はまだ高校3年なのでと2年あります↓泣
    でも,手術室希望ゎ絶対諦めたくないです☆
    カイザーのオペを実習初日に見たんですが,生命の誕生を間近に見て感動しました!!
     
    直接介助者サンも,次の展開を読みながら器械を用意していてかっこよかったです!!
     
     
    レポートなんですが…なかなか学校の方も手術室のコトについてゎ内容が薄く困ってます↓
     
     

  6. 管理人 より:

    帝王切開の手術に入れたんですね。
    帝王切開ってかなり忙しいのでたいへんなんですが、数ある術式の中でもかなり好きなオペです。だって終わった後、「おめでとうございます」って言えるから。
     
    手術って基本的には患者さんにとっては喪失である場合がおおけど、帝王切開はマイナス面を乗り越えられるくらいのプラスなイベントだと思うんですよねぇ。

  7. 看護学生 より:

    そぉ-ですよねぇ!!
    なんか術前に器械の準備で無菌操作を行ったんだけど,学校で実習行った時とは違う緊張感で張り詰めてました!!笑
     
    ドクターのガウンテクニックの介助もしたんですが,病棟で見るドクターの印象とは違ってやっぱり優しい印象ですね♪

  8. OPナース より:

    病棟8年経験して今年からOP室になりました。
    半年働いてみて、正直、手術室というところはどうも自分の看護観には合わないところだなあというのが実感です。
    管理人さんは最初から手術室になじめましたか?
    手術室って自由がないんですよね。自分でプラン立てて自由に動くことができない。常に誰かの指示で動く。なんてつまらない世界だろうと思ってしまいます。直接介助はなおさらです。一通り器械の名前を覚えたらあとはそれを出すだけ。毎日同じことの繰り返しで楽しいと思えることが何一つありません。今は覚えることもたくさんあるのでORナースとして最低限の勉強はしていますがそれ以上つっこんで勉強してみようという気にはなれません。
    特に器械出しは別に看護師じゃなくてもできる仕事なので自分が看護師になった意味がわからなくなります。アメリカのように器械だし専門の助手ができればいいのになあと思ってしまいます。
    手術の介助がうまくできても看護師としては何のメリットにもならないと思ってしまいます。将来それが何の役にたつのかと…。
    医師のお守りもうんざりします。
    私は管理人さんのように前向きに取り組むことはできません…

  9. みん より:

    はじめまして、管理人様より先に出てきて申し訳ないのですが2,3申し上げさせてください。
    厳しい言い方ですが、自分に合わないと思うなら移動したほうがいいとおもいます。手術室看護は本当の専門性が必要な看護です。病棟で何年仕事していようがほとんどが手術室と関係ないと思います。何よりも患者様に対して失礼です。
    器械だしに関してもドクターにいわれた器械を出すのなんて最低限のレベルです。自分は言われる前にもっていて、間なんて空けさせないです、それが看護師じゃなくてもできるといわれれば訓練つめばできるかもしれません。法律上看護師にしかできないのだから手術室の看護師がエキスパートとしてするしかないのです。それが専門性です。病棟看護は看護師になった誰もができることです。誰でもできるようなこと意外ができるのが手術室看護師です。
    今業務をしていて自分のしていることに満足できなくてつらいのかもしれませんが手術室にいなくてはならないのであればいる限り上を目指してほしいです。
    うちの病院もモチベーションが低いスタッフにについて問題があがっていていろいろ考えさせられることがあり投稿させてもらいました。本当にエキスパート同士で仕事をすることはすばらしいことだと思います。
    管理人様、長文、乱文失礼しました。管理上ふさわしくなければ削除願います。

  10. 管理人 より:

    ◆看護学生さん
    看護学生さん、オペ室実習では実際にガウンと手袋で器械準備もやったんですか? いいですねぇ。うちにも実習生は来ますが、ただのオペ見学だけです。私個人としては、手洗いをさせて手洗いナースの向いあたりから術野を覗かせてあげてもいいのになぁと思うのですが。そういう実体験があるとまただいぶ印象が違ってくると思うんですよね。
     
    ◆OPナースさん
    はじめまして。率直な御意見、ありがとうございました。きっといま色々悩んでらっしゃって苦しいところなのかなと思いました。お返事を、と思って書き出してみたら結構長い文章になってしまいましたので、場所を変えて新記事としてお返事させていただきました。僭越ながら「ローテーターの方の悩み・・手術室の看護とは」なんて勝手なタイトルまで付けてしまいました。勝手で申しわけありませんが、どうぞご一読ください。
     
    ◆みんさん
    やっぱり病棟から異動してくると、どうしても直面する問題だと思うんですよ。うちの病院も、異動希望はいちおう聞かれますが、決定は看護部長の一存で思いもよらぬ異動が多々ありますし。自分の目指す方向というのがしっかりした人であればあるほど、希望外の異動で戸惑うと思います。
     
    私はOPナースさんのコメントを読ませていただいて、境遇が変わっていろいろ悩んでらっしゃるんだなぁと思いました。詳しくは新記事として書かせていただきましたが、せっかくオペ室に来れたのだから、ぜひ楽しみを見いだしてほしいなぁというのが私の意見です。今後、この件で御意見ありましたら、どうぞ新記事の方でお願いしますね。

  11. チロ より:

     OPナースさんのコメントを読んで、私も思うところありと書き込みします。
     病棟からOP室に移動になった看護師が、私のところも半分以上います。みんな、はじめOP室と病棟との違いに戸惑いがあったようです。実際、私も何もできない自分が悔しかったです。
     「自分でプラン立てて自由に動くことができない」とありますが、OP室という環境上仕方のないことだと思います。私も、これは、最初納得いかなかったです。でも、最近は慣れてきたのか、OP室の流れの中で全体が見えるようになりました。そうすると、こんなときはこうすればいいんだとか、自分で自分の時間のコントロールができるようになってきて、自分の中で自由に行動できるようになって来ました。
     すぐに見切ってしまわないで、もう少し続けてから、移動なども考慮に入れるといいのではないでしょうか?病棟とはまた違ったところだと、受け入れられればまた余裕も出てくるのではないでしょうか。手術室の看護師でなければ、経験できないこともありますからね。
     
     私もOP室に移動した頃は、OPナースさんみたいなことを、よく愚痴っていたものです。余計なお世話でしたが、口を挟んでしまいました。
     

  12. 管理人 より:

    チロさん、ご自身の経験からのアドバイス、ありがとうございました。
     
    実は私、ローテーターの方のプリセプターを過去数回してことがあるのですが、そのとき考えたのは、病棟経験者としての自尊心をいかに傷つけないかということでした。
     
    どうしてもまっさらな新人さんたちと肩を並べる形になってしまって、申し訳ないなと思うのですが、特に最初のうちは器械出し中心ですから、差別化もしようもない。
     
    そこでローテーターの人たちには外回り業務に早く入ってもらうようにして、そこで病棟的な視点からのアドバイスをしてもらったり、職場内での勉強会を開いてもらったりという形で、なんとか病棟とオペ室との関連性を見いだしてもらえるような関わりを目指していました。
     
    幸いにして、私が関わった人たちはいい感じにオペ室に馴染んでうまくやってくれているみたいですが、やっぱり本人たちの精神的な踏ん張りというのはたいへんだったんだろうなぁと思っています。

  13. なお より:

    はじめまして。私は手術室勤務7年目です。OPナースさんのコメント読ませてもらったんですが、確かに私も最初は手術室での看護というものに戸惑いました。学校で習っていない内容ばかりで自分が持っていた看護観というか看護師としての仕事像とまったく違ったからです。だからOPナースさんの気持ちはよくわかるなと思いました。今は手術室看護師として誇りを持ってやっています。でも手術室看護師をいやでやっているという方もいっぱいいます。それは少ししょうがないとも思います。私は可能な限り少しでも興味を持った方が配属になるべきだなと思っています。
     個人的にはもっと手術室看護師は専門性を追求していいのでは?と思います。将来的には手術の助手になれるような資格などできたらいいのにな・・なんて。手術室看護師としてできることがもっとできたらいいのになと考えています。認定看護師もできたようですが、実際どのくらいのことができるのかわかりませんが、もっと盛りたてていくことができればいいなと思います。
     

  14. 管理人 より:

    なおさん、コメントありがとうございました。去年あたりには手術室看護認定看護師の第一期生が卒業になって、各施設へ戻り活動をはじめたところのようですが、手術室看護の専門性へ新たな展開の幕開けになるんでしょうか?
     
    アメリカでは麻酔専門看護師がいて麻酔導入・管理を行なっていて、イギリスでは鼠径ヘルニアとか粉瘤摘出などの手術を執刀する看護師制度があります。
     
    さて、日本のオペ室看護師の未来は?? まあ、看護師による産婦の内診に関してもゴネている保守的な看護協会のことですから、あまり大きな期待はできないかもしれません。
     
    余談になりますが、認定看護師制度に手術室看護が新設されたことは嬉しいのですが、私自身は認定看護師制度にあまり興味はありません。なぜならあまりに待遇が悪すぎるから。仕事を長期休んで認定をとって帰ってきても、給与面でも立場面でもなんの優遇処置もなく、本来の業務とは別にさまざまな仕事を押付けられるだけ。
     
    現状では、マジメな看護婦の個人的な向上心と自己犠牲の上に成り立っている制度だと思うんですよね。看護界の未来の舵取りする重要な人材なのに、そんな個人任せでホントにいいのかというのが私の考えです。看護業界を盛りあげて、看護師全体のレベルアップを図るのであれば、認定看護師の待遇をそれなりにしてあげないと、健全な発展は臨めないと考えています。スイマセン、話題が横道に逸れました。

  15. チロ より:

     認定看護師の話は、確かに「個人的な向上心と自己犠牲の上に成り立っている」ものですね。この根本的なことは、看護師の自律にも関わってくるのではないかと思います。責任を負わない代わりに、権限も軽い。結局そういうことではないでしょうか?
     ちょっと、偏った考えかなぁ。私自身も、これにははっきりした答えが出ず、自問自答を繰り返しています。なんか、最初の質問から私も離れてしまいました。管理人さんの書き込みを見ると、ついついいろいろ考えて、私も書きたくなってしまいます。

  16. 管理人 より:

    チロさんも日頃いろいろ考えてらっしゃるんですね。看護師の自律かぁ。深いテーマですね。
     
    異論反論を覚悟で私の考えを書きますと「責任を負わないかわりに権限も軽い」という点は紛れもない事実だと思います。感情論ではいくらでも反論があるかと思いますが、法律的にそういう位置づけになっているのだから仕方がない。ここは下手に意地を張らないであっさり認めた方が展望を考えていく上で未来が明るいし健全だと思います。(まあ、最近は保助看法の改正等でナースの責任が重くなりつつもありますが、)
     
    看護業界全体で、看護師の地位を向上させることに苦心している様子は見て取れるのですが、その方向性ってどうなんだろう? と疑問に思うことも多々あります。平均学歴を上げれば看護界が変わる? そんなことより、「患者のために」という美辞麗句を隠れ蓑に看護者に自己犠牲を強いている看護業界の体質が問題なんじゃないかというのが私の考えです。マジメな看護婦の性格をいいことに、あたりまえの措置・制度を作ってこなかったことがあちこちの歪みとなって発展を阻害しているのでは? 看護師も一労働者であるという、ごく当たり前の視点をあたりまえに取り入れるだけで、きっと社会的地位は向上すると思うんですけどね。本気で書いたら看護婦の歴史から始まって本一冊分にくらいになってしまうくらいのテーマだと思うのですが、ここではどうも抽象的な話になってしまってスミマセン。
     
    看護婦が職業として成り立つまでの歴史と、ナイチンゲールのイメージと実像のギャップについて調べてみると、いろいろ変わった見方ができておもしろいですよ。

  17. ここっと より:

    はじめまして。私は新卒でOP室配属され、学生時代の実習では三室ほどのOP室から8室ほどOP室がある病院に就職したので、かなり圧倒され、Drの罵声やら聞いていると緊張と不安で毎日帰って泣いて、緊張でアンプル一つ手が震えてまともにすえなくて、すぐ辞めてしまいずっとトラウマになってましたが、今現在民間の病院で、たまにある整形のOPにしぶしぶつかされましたが、実際直接介助をしてみると、終わったときの達成感というのは、なんともいえないものがありました。意外とOP室むいてたのかと思い、今は常にOPがある病院に転職しようかと考えています。トラウマ克服したいです。

  18. まな より:

    私は、新卒でOP室に配属されました。初めてのことばかりで、今はひたすら言われたことをやるだけで精一杯です。そんな中、なぜ?と思うことも出てきました。このサイトを知って、今言われながら動いていますが、その根拠がわかったりとても助かっています。
    そこで質問です。カイザーで胎盤摘出後、臍帯血をとる理由とその後どのような処理をされているのか教えていただけませんか?