オペナースはフィジカルアセスメントに弱い!?

よくICUナースに言われることですが、

「オペ室看護師は患者のフィジカルアセスメントが出来てない!」

確かにそうかもしれません。

オペ室では、常に麻酔科医と一緒にいますから、患者の全身管理は麻酔科に任せっきり、という側面が確かにあります。

なにかあったらとりあえず麻酔科医を呼べばいい、という意識がきっとどこかにありますから、はっきり言ってしまえば、危機感は薄い職場かもしれません。

もともと医者の世界でも内科と外科は仲が悪いという話がありますが、それと似た構図が手術室室ナースとICUナースにはあるのかもしれません。外科系看護の最たるものが手術室看護、内科系がICUですからね。

とにかく悪いものは切っちまえばいいという体育会系の外科と、体の中で何が起っているのかをよーく考えてじっくり対処法を考えていく内科。

実際オペ室業務はあまり考えなくても体さえ動けばどうにかなる部分もあります。器械出しなんてまさにそうですね。基本的には言われたものを医者に渡せればいいわけで、手術の流れなんかも「慣れ」で体で覚える部分でもあります。(こだわりの哲学もありますけど)

外回り業務ともなれば、それなりに知識・判断も重要になってきますが、まずは器械出しができてナンボの世界なので、頭より体がまず求められているというのはあると思います。

まあ、麻酔科医の助けもあってなんとなくで仕事ができてしまうオペ室ですけど、ICUナースの指摘のように、確かに看護師としてはちょっと恥ずかしいかなと思う部分もなくはないです。

全身麻酔・脊椎麻酔など、麻酔科管理の手術の場合はまだしも
局所麻酔手術では麻酔科医がつきませんので、術中の患者管理は看護師の仕事になります。元気な人ならいいですけど、心臓に既往がある人とか、局所麻酔薬でのショックなどを考えると、オペ室ナースといえどそれなりの知識と判断力は絶対に必要です。

せめて心電図モニターくらいは読めないと、、、、

だけどうちは職場としてはそういったことって教えてくれないんですよね。

まあ、常識としてそれくらいは自分で勉強しろって事なのかもしれませんけど、サボろうと思えばいくらでもごまかしがきく手術室。本人の意識とこころざし次第で実力の差が出やすい職場なのかもしれません。

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コメント

  1. えちこ より:

    はじめまして!
    調べ物をしていたら、このブログを発見しました。
     読んでいてとっても勉強になること、同感することがたくさんあって、もっと早く見つけておけばよかった・・・と思っています。
     麻酔科医がついている手術・・・確かに、輸液管理、モニター・・・まかせっきりです。
    麻酔科医のいない手術についていて、急変があった時は、もう大変!
     うちの職場も、自己学習まかせなところがあるので、個人個人の力の差があります。ピカピカの新人ナースには、なかなか厳しい職場のような気がします。日々一緒に勉強していかなくてはと、思ってます。

  2. 管理人 より:

    えちこさん、はじめまして。
    ずいぶん前に書いた記事ですが、参考にしていただけたのならうれしいです。
     
    可もなく不可もなく程度の仕事だったら1-2年もすればこなせるようになります。そこでオペ室の仕事はつまらない、と判断する人もいるかもしれませんが、目の向け方を変えると実は結構奥が深いんですよね。
     
    オペ室ならではの学びのポイント、たくさんあると思います。私が最初にはまったのは心外の手術で心室細動を起している心臓を直視下に見たときですね。理屈と心電図波形でしか知らなかったVFを目の当たりにできるなんて。俄然興味が湧いて心電図の勉強はじめましたし、要は何をきっかけにするか、気付くかというところですよね。必要だと思うことをひとつひとつ後輩につたえてマニュアルを作るというのもいいかも知れませんが、視点の広がりみたいなものを伝えて、興味を持ってもらえたらなと思い、ここではいろいろなことを書かせてもらっています。また良ければ過去記事なども漁ってみてくださいね。

  3. あやか より:

    はじめまして。最近勉強にためネットを見ていて、このサイトを発見しました。こちらのサイトでは、今まで疑問に思っていたところがピンポイントで書かれていて、とても参考にさせていただいてます。私の居る病院では最近、各科麻酔に移行しつつあり、全麻、SABともに管理はNsです。今までまかせっきりにしていたため、大海原に一人でほうりだされたようで不安でしかたありません。アセスメントの力を今からつけるために猛勉強です。。。。。

  4. くじらっこ より:

    管理人さんこんばんは。偶然このブログを見つけてから毎日来てます。
     今、人間関係でトラぶってまして、先輩看護師から無視されています。部署移動とか退職とか考えたのですが、逃げないで腐らないで勉強して自分のレベルを向上させていきたいと思います。フィジカルアセスメント…確かに自分も弱いと思います。勉強頑張ります!このブログを読むのが楽しみです。また覗きます!

  5. 管理人 より:

    あやかさん、はじめまして。
    このブログはもともと自分のところの新人ナース向けに作った教育資料が大元なんですよ。そういっていただけると公開している甲斐があるってものです。どうもありがとうございます。
     
    くじらっこさん、オペ室というある意味密室での人間関係、たいへんですよね。病棟と違ってほぼ毎日顔を合わせるわけですし、オペにつけば手洗いと外回りでペアで動くわけですし、、、
     
    実はうちでも問題になっているのですが、気分屋でツンツンした感じの年輩ナースがいるんです。彼女は声をかけても無視する、もしくははっきり返事をしないことが多くて、聞こえていないのかなと思ってもう一回いうと、「聞こえてる、うるさい!」とぼそっと言われてしまう。
     
    まあ、とにかくやりにくいんです。
    やりにくいならまだしも、実はこれってオペ室では致命的な事故にもつながりかねない大問題です。
     
    例えば術中、一時的にガーゼを体内留置した場合、外回りに声をかけますよね。そのとき返事がないとしたらどうでしょう? いつものことで「聞こえてる、うるさい」って言われるんだろうなと思って再確認をしなかったら?
     
    ということで、手術室という危険が伴う職場で「無視」とか仕事にまで持ち込まれる人間関係のトラブルというのは個人間の問題だけでは済まない場合があります。
     
    くじらっこさんにプレッシャーをかけるのは本意ではないのですが、無視されても自分が我慢すればいいんだけだから、というようには考えないで職務安全の問題として上司や第三者に相談されることを願っています。

  6. アンジー より:

    こんばんは。ご多忙とのこと、お体にはくれぐれも気をつけて色々と頑張って下さいね。
     
    くじらっこさんとは、逆に私は何人かの年下の先輩ナースに無視されています。かなりのブランクを経て入ったせいもあり、とてもやりにくいようです。自分が職場のスタッフに自分中心に考えていると思われていてわかってもらえてるという実感がありません。まだ、全体が見えず(というより見る余裕がなく)回りが見えていないのですが、そのようには思われておらず、ホントに泣きそうな毎日を送っております。でも、挨拶だけはかかさず、腐らずやっていこうと思っております。くじらっこさんも頑張って下さいね。
    そして、是非、管理人さんがおっしゃるように上司などに相談してみてくださいませ。
    私は、婦長から「みんながこう言ってる」といわれてからは、相談する気をなくしてしまいましたので、そのようになる前に・・・・・

  7. 管理人 より:

    閉鎖的な空間での人間関係、たいへんですよね(^^ゞ
     
    挨拶だけは欠かさずという気持ち、尊敬です。
     
    一緒に仕事がやりにくいと、感じている時点ですでに医療現場ではリスク。お互いがドライに仕事と割り切ってできればいいですが、まあ、これがなかなか。
     
    私も反省点、多々アリです。

  8. キキ より:

    はじめまして。お仲間に入れていただけますか? 私も人間関係でとてもいやな思いをしています。狭い空間の中で毎日同じメンバーだからこそ、割り切るところは割り切って仕事をしなくてはいけないと思っていますが、蔭口や中傷、プライベートなことまでに至っては本当にやる気がなくなりますね。
    私のところは長年いるナースがすべて仕切っており、その人の気分に皆が振り回されっぱなしで。私がそういう理不尽なところを指摘すると、次の日は私にいじめが集中するという図式になっており。本当に今は20世紀なのかと疑ってしまうくらいです。
    もちろんオペに関しては知識技術は抜群です。(たぶん15年くらいオペ室一筋で病棟に出たことはないそうです)その人の口癖は「なんでこんなこともできないの」です。しかもできないところばかりを攻撃して、新人ナースを精神的に追い込んで辞めていったナースがたくさんいます。
    環境って大事だと思いませんか? びくびくおどおどした気持ちでオペについても覚えられないと思いませんか? 
    最近の指導はほめて伸ばすという方法だと思いますが、彼女は精神的に相手を追い込んで、そこから這い上がってきた者だけが、勝者だと言うんです。たぶん、自分がそうやって指導されてきたんでしょうね。15年前は。
    時代の流れを彼女にそろそろわかってほしいと願う毎日です。
     
     

  9. ゆうやママ より:

    キキさん、はじめまして。
    手術室の場合特殊な部署なので、長く勤務する人は異動せず、ずっと手術室という方も多いですよね。それも勤続年数15年ということなので、部署のことは何でも知っていて怖いものなしというところでしょうか?
     
    ちなみに、その先輩のことを上司(師長・主任)はどう思っているんでしょうか?
    そのような指導・行動・発言が適当でないと、大体の人が思っていると思うのですが・・・
     
    キキさん、一人で行動を起こすことは不可能だと思いますから、上司(師長や看護部長)に相談することをおすすめします。
     
    その方が主任や師長でないことを祈ります。

  10. キキ より:

    ゆうやママさん、アドバイスありがとうございます。
    ゆうやママさんの言うとおり、若輩のわたしがいくら正義を振りかざしてもひとりではなんともなりませんよね。
     
    残念ながら、その人は主任です。師長は3年毎位に変わるので、新しくきて何も分からない状況で、その人のことを頼りにせざるを得ないようです。(主任がなぜ15年間勤務交代をしないか理由がわかりませんが)
     
    師長に主任のことで悩んで相談しても、その場では聞いてはくれても、最後に「まぁ、がんばって」と言うだけで、状況を変えたりはしません。
     
    確かに、その人にはその人のオペ室ナースとしての歴史があり、実際すごくデキるので尊敬はしているんです。
    だからその良い部分だけをみて見習って行こうとも思っています。自分ができないのに文句ばかり言ってはいけないような気もするんです。
     

  11. 管理人 より:

    キキさん、はじめまして。
    そしてゆうやママさん、アドバイスありがとうございました。
    師長ばかりが変わってお局様が変わらないって、最悪なパターンですね。うちもそんな感じかも。
     
    理不尽なところを指摘するとイジメが集中とありましたが、
    私もいろいろいわれています。
    「チクったわね、この卑怯者!」
    「てめぇも同じ目に遭わせてやる」
    笑っちゃいません? こんなジャイアンの脅し文句みたいなセリフを面と向かってマジメにいわれたのは、ここに来て初めてです。
    こんなことをいう大人社会がホントにあるんだなって。
     
    その人のお陰で、若い子が精神をやんだり、辞めていったりということがうちでもなくはありません。そこで私は文書で師長に報告を上げるようにしています。今のところ反応はありませんが、次の被害者が出たときには、全部の控えをまとめて出すところへ出すつもりです。これってれっきとしたパワーハラスメント(犯罪)ですから。師長に力がないなら、然るべき権限をもった人へ。
     
    自分自身は言いかえせるし、考え方を切り換えればどうにでも対応はできますが、なにも言えない若い子が潰されていくのは我慢できません。それを見て見ぬ振りする主任や師長も信用できない。社会的立場というのがあるんでしょうけど、こういう場面でこそ権限を発揮してほしいのに。
     
    その良い部分だけをみて見習って行こうというキキさんの態度、大人だと思います。でも私はそんな穏健になれないなぁ。きっと子どもなんですね。スイマセン、参考にならないコメントで。

  12. キキ より:

    コメントありがとうございます。どこも問題は同じなんですね。しかもやくざまがいのナースって。。。。。
    確かに体育会系ではありますが、なにかちがいません?
     
    私がひとつ不思議に思っているのは、なぜオペ室にいるとイジメや意地悪が成り立つのでしょうか。病棟では絶対にありえないような言動が、なぜオペ室ではまかりとおるのでしょうか?
    患者さんとのコミュニケイションがすくないから?
    密室状態だから?
    オペという常に緊張を強いられる場所だから?
     
    だとしたらあと何年か後には私もそうなるのでしょうか。。。(不安)
     
    管理人さんの言うとおり、自分は我慢できても、絶対的に弱い立場の新人がいびられているのを見るのは本当につらいです。
     
    この間も新人が、どう見ても準備ができないような係りの付け方をされて、焦って困っていたので、ちょうど手の空いていた私が手伝ったら、次の日私が呼び出され、般若のような顔になっているナース(主任ではない)にすごく怒られました。
    その理由が「あの子を困らせるためにやった。準備かできなくてもいい。患者を待たせればいい。」というんですね。
    (言い返したかったけど、何か言うと火に油を注ぐ感じだったので、黙っていましたが、)
     
    うーん。理解に苦しむというか、支離滅裂というか、私はこんなナースには絶対になりたくないと心底思いました。
     
    書面にするっていいアイデアですね。日時と言った内容を書いておけばいいんですよね。
    感情で動いている人間には、きちんとした論理で対抗したほうがいいのかな。
     
    いろいろアドバイスありがとうございます。
    それにここに書くことでちょっぴりストレス発散出来てるようです。
     
     
     

  13. 管理人 より:

    キキさん、オペ室ってやっぱり人目のない職場というのが大きいような気がします。それに雰囲気的にはかなり専門家チックな部分もあって、勘違いしやすい環境ではあると思います。私にしかできない、私が偉い、みたいな。
     
    > だとしたらあと何年か後には私もそうなるのでしょうか。。。(不安)
     
    みんながみんな間違ったことを言っていたら、そのコミュニティーではそれが正しいことになってしまうものですが、外に目を向けて尺度を外部に求めることを忘れなければ大丈夫ですよ、きっと。

  14. おぺかんごし より:

    ふざけるな!機械出しも体だけじゃなく頭も使います。馬鹿にするなら一度オペ室で機械出ししろ!

  15. Gen より:

    はじめまして。
    TVでセンジン刀と言う単語を知り
    調べていたらここに来ました。
     
    いやー手術室の看護士の方は専門で
    入ってるのですね。
     
    知らなかったです。
     
    しかもいじめとか。
     
    患者にしかならない私にはちょっとショック!!
     
    皆さん理性的な人というイメージだったのですが、けっこう感情的だし
    患者より自分のいやがらせ優先って!?
     
    なんか天下りしてる官僚そっくり!
    うーん健康第一ってすごく大事ですね。
     
    手術室には行きたくないなあ。

  16. のり より:

    うちは、麻酔科医がいません。なのでフィジカルアセスメントの重要性…身にしみて感じています…。
    手術室勤務になった時、器械を覚えたり業務に慣れたり、医師とのコミュニケーションに苦労して、鬱になりました。いま三年目にはいりやっとなんとか勤務出来てました。
    手術室…なかなか他部署には伝わらない辛さもありますよ…。分かって貰えないゆえに人員を減らされたり…。
    どの部署も言えることだと思いますが、看護スタッフはみんな疲れきってます…だから人を思いやるゆとりがないんだと思います…
    うちは麻酔科がいないうえに、病棟で夜勤できない育児時間のスタッフを配置したりでフルて働くスタッフは疲れきってます。だからつい、そういう弱い立場スタッフにきつくあたってしまうんですよ…悪いと思いながら…